「おじさんに感情移入してしまう、不思議で身近な物語」8番出口 FUNAOさんの映画レビュー(感想・評価)
おじさんに感情移入してしまう、不思議で身近な物語
しっかりと面白い作品でした。自分の好きな演出が多く盛り込まれていて、最後まで飽きずに楽しめました。
主人公の目線で物語が進むため、観ている自分もその世界に入り込んだような感覚になれるのが良かったです。余計な情報が多すぎず、かといって少なすぎもしないバランスで、想像力をかき立てられる要素がちょうどよく散りばめられていました。
感情を揺さぶられるシーンが多く、映画としてはまさにお手本のような構成。ジャンル的にはホラー要素もありますが、個人的にはSF色が強いと感じました。雰囲気としては「世にも奇妙な物語」に近く、タモリが登場しても違和感がないくらい。豪華版「世にも奇妙な物語」といった見方もできると思います。
日本人なら誰しも経験したことがある「あるある」を映像化している点も共感しやすく、身近に感じられました。こうしたタイプの作品は構えてしまうと敬遠しがちですが、むしろ映画館で体験してから判断してほしい一本です。演出効果に強弱がしっかりあり、没入感も抜群。テレビ画面よりも劇場で観ることで真価を発揮すると思います。
また、二宮の演技はリアリティがあり、大げさすぎず感情移入しやすかったです。そして何よりも「おじさん」の存在感が強く、気づけば主人公以上に感情を重ねていました。
結末はハッピーエンドともバッドエンドとも取れる余韻のある終わり方ですが、主人公の表情が以前より明るく前を向いていたので、個人的には前向きなラストだったと感じています。
全体を通してSF的な雰囲気が強めで、SF好きには特におすすめです。事前情報がなくても十分楽しめますし、頭を空っぽにして観られるので、とても見やすく心に残る作品でした。
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