「ひとりの男が、子供を育てる覚悟を持った大人の男に成長する物語」8番出口 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)
ひとりの男が、子供を育てる覚悟を持った大人の男に成長する物語
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[60代男です]
予告編を見て、これは「CUBU」の成功後、特にアメリカを中心に低予算で作られ続けている、ひとつの場所から出られなくなるというワン・アイディア・ストーリーのひとつだと思った。
実際そうなのだが、本作は別れた元カノの存在を加えることで、まったくレベルの違う傑作になっていた。
全体は、ただの間違い探しをデスゲームっぽい雰囲気でやるだけ。
それでも、イニャリトウ監督作品を思わせる長回しで撮った映像は、日本製とは思えないほど高級で立派。
話も、途中から視点が変わることで、より興味が持続する。
出てくる幼い少年が、口がきけないわけでもないのに、助言すべきところでも何もしゃべらないのはイライラさせられた欠点だ。
しかし、何より特筆すべきはラストシーンのうまさ!
二宮和也の思いつめた表情、それをあの瞬間で終わらせる演出。
心をつかまれて感動した。
普通に母子を助けるところまでやっていたら、こうはならなかった。
普通の映画なら、ああ面白かったとそこで気持ちに区切りがついて終わるのだが、本作はこのラストシーンの演出のために、主人公がこのあと元カノと連絡を取り、幸せな家庭を築いていく未来が広がっていくのだということが、エンディングのボレロを聞きながら、心の中にじんわりと広がっていき、幸せな気持ちになれた。
こんな観終わり方をした作品は初めてだ。
こんな感動は初めてだ。
素晴らしい。
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