「8番出口の感想」8番出口 涅槃寂静さんの映画レビュー(感想・評価)
8番出口の感想
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『8番出口』を観て抱いた所感である。
まず特筆すべきは、キャスト陣の演技力の確かさであろう。吐息ひとつに至るまで生々しい質感が宿り、繰り返されるループと、そこから決して抜け出せぬ絶望感を濃厚に味わうことができた。
また、唐突に挿し込まれるジャンプスケアには心底驚かされた。ゲームと異なり、視点が主人公のみならず「おじさん」側にも及ぶという演出は、意表を突かれ、なるほどそう来たかと膝を打った。
ただ一点、子供の描写には疑念が残る。序盤、異変を目の当たりにしながらも頑なに沈黙を守り、やがて唐突に語り出す。その変化に必然性が見出しにくく、説明の一歩が欠けているように思われた。
本作はおそらく、観る者の評価を大きく分けるであろう。だが、私にとっては新鮮な趣に満ち、むしろ好もしく映ったのである。
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kanchi2929さんのコメント
2025年9月17日
子どもが急にしゃべるようになったのは、「心の距離感」ではないかと私は思いました。
尊重している様で尊重していない。見ている様で見ていない。だから話してもいいものかと思ってしまう。声を出すのが怖いと思ってしまう。その逆もまたしかりと。子供と大人の接し方はかなりリアルでしたね…
