「8番出口は、私の朝の掃除にもあった」8番出口 ハジメロさんの映画レビュー(感想・評価)
8番出口は、私の朝の掃除にもあった
映画『8番出口』を観ながら、ふと自分の体験が重なった。
ある朝、いつものようにペットの糞を掃除していたとき、そこに糸状の虫を見つけた。普段なら惰性で済ませてしまうルーチン作業のひとつだが、その違和感を見逃さなかったことで病院に行き、薬をもらい、大事に至らずに済んだ。もし気づかずにいたら、近い未来に深刻な事態を招いていたかもしれない。
この経験は、映画の主人公が「ループ空間」で異変を感知しなければ先に進めない構造と重なって見えた。家庭や仕事といった日常は、一見すると同じことの繰り返し=ループのように思える。その中で小さな異変をキャッチし、そこから行動できるかどうかが未来を変える鍵になる。
『8番出口』は、ただの不条理ホラーやサスペンスにとどまらない。観客に「あなたは日常のループの中で異変に気づけるか?」と問いかけてくる作品だ。私にとってその問いは、あの朝の掃除と同じくらいリアルなものだった。
日常の異変を見逃さず、次の出口へと進む勇気を持つこと。その重要性を、映画は強烈に刻みつけてくれた。
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