「いつまでも堂々巡り」8番出口 toshijpさんの映画レビュー(感想・評価)
いつまでも堂々巡り
まったく期待していなかったからがっかりもしなかった。
で、面白かったかと言うと、うーん・・・。意味が分からない
部分もあったし。合う合わないで言ったら合わない方かな。
“迷う男”が無限回廊に迷い込み出口を求めて進んで行くが気が付くと
元の場所に戻っていて・・・の繰り返し。見ているこちらはあまり
当事者感を感じられず、堂々巡りしているのを延々と見せられるから
途中で飽きてくる。
途中寝落ちしても、配信や円盤なら2倍速・3倍速にしても、何なら
途中を飛ばして導入部と最後の30分程度だけ見ても差し支えない
ような内容の映画だった。95分の上映時間は最近の映画としては
短い方だがそれでも間延びした印象。
”異変を見逃さないこと”とあるが、異変が伏線になっていないくて
単発の驚かせでしかないのは不満。
疑問が残る。出口表示の数字が変わっているのって”異変”じゃないの?
その数字が増えていると8番出口が近づいたかのような反応をする
けれどそんなルール説明はなかった気がする。
あと途中で荷物をほったらかしにして行くのはどうして?その後
荷物はどうなった?
伏線回収や謎解きがあってその結果脱出できて、ああすっきりしたね
という終わり方をしないからもやもやが残る。
主演俳優のファンならほぼ出ずっぱりの彼の姿を見続けることができて
嬉しいかもしれないが何とも思わない自分にとっては退屈だった。
演者では小松菜奈が好きだが出番が少なすぎる。
マイナスのことばかり書いてしまったが、所々良い描写もあった。
・オープニングとエンディングでの文字の出し方
・導入部の主観映像と音、電車を降りてから無限回廊に迷い込むまでの
ワンカット風の描き方
・進んでも引き返しても同じ場所に戻る無限回廊のセット
・主人公じゃないもう一人のおじさん“歩く男”の存在感(最後まで謎の
おじさんで通してほしかったが)
・音や音楽の使い方 イヤホンをしている時と外した時の音の違いや
靴音の立体感とか、津波に飲み込まれた?後で子供が歩く時に靴の
中が水浸しになっていると分かる靴音とか。
あと「ボレロ」は堂々巡りの映画にぴったりの選曲
別れるはずだった彼女に妊娠を告げられ動揺するも、最後はよりを戻す
であろうと思わせる終わり方。しがない派遣社員の彼がこの経験を通して
どう変わったかというのが一応の筋と言える。願わくば主人公が早く
彼女に会いたいと思う気持ちをもっと表現してほしかった。
導入部で赤ちゃんを連れた女性が他の乗客に怒鳴られていた時、見て見ぬ
ふりをしたことを“迷う男”はちょっと後悔していた。ラストで全く同じ
状況になった時主人公は・・・。見ているこちらは彼が勇気を振り絞って
彼女を援護するのを期待。しかし映画では彼が実際に行動するところまでは
描かない。一瞬動き出すところで終わる。
この終わるタイミングが絶妙。このラストは「インセプション」(2010年製作
原題:Inception クリストファー・ノーラン監督)に匹敵すると言ったら
褒めすぎか?でもセンスの良さを感じた。ここで実際の行動を見せたら
興覚めしていただろう。見せないからこその余韻が良かった。
共感ありがとうございます!
元ネタの8番出口をプレイ済みだったんですが、ちょっとした注意力があればわりと簡単に出来る脱出ゲームなんで、それを実写化すると単調になるのはしかたないかも知れないです。小松菜奈は物語のきっかけを作っているのに、出番が少なすぎるのはモヤモヤしますね。
褒めすぎですw?!
荷物、私も気になりました。
最後まで謎のおじさんという手もありですが、さすがに話が持たなかったかも知れません…
いいアクセントになってましたし、
普通の人だったのに子供を見捨てたせいで
永遠の背景になってしまったようで
私は怖かったです。
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