「日常の異変」8番出口 tonakai0979さんの映画レビュー(感想・評価)
日常の異変
クリックして本文を読む
この作品は、日常の異変に気付きそれに向き合うまでの物語だと感じました。
映画冒頭、主人公は泣き喚く子供にキレるサラリーマンを見てみぬふりをしてボレロを再び聞き始めます。主人公はこの行為を8番出口に入ってからも悔やみ、そんな人間が父親になる資格があるかと葛藤してしまいます。
恐らくこれこそが8番出口に入った原因でありこの問題を解決しないことには、一生あのループが続くということかなと思いました。8番出口の異変の数々は、主人公の内面の恐怖を具現化したものであり決して観客を脅かすだけの舞台装置にはなっていません。いくつもの内面の恐怖に向き合い異変に気付くことで最終的に同じ列車に戻ることになります。
最後に主人公がキレているサラリーマンがいるであろう方向に進み出したとこで、やっと自分に向き合うことができました。
子供が生まれるかもしれない、その時に自分は立派な父親になれるのかという不安。そんな日常に起こる異変を受け入れた主人公はきっと映画中盤に描かれた海岸で幸せそうな家庭を築いているのだと思います。
この感想には都合良く解釈し過ぎなところがあるのも重々承知です。所々に分かりづらいシーンやカットがあり不完全燃焼な気持ちになるのも分かります。
しかし、それを踏まえた上でも僕の中では大切な作品となりました。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。