「原案ゲームとしては良かった」8番出口 ヤンバルクイナさんの映画レビュー(感想・評価)
原案ゲームとしては良かった
電車を降りて地下通路を歩きながら出口を探すも、気付くと同じ場所をループしている。奇妙な「ご案内」に従いながら出口を求める、というシンプルなあらすじ。
原作は単純なゲームなので、これをどう映画に?と興味を持った。
本筋はゲームと変わらないが、"そもそも主人公がなぜ迷い込んだのか?"というところから描かれる。
仕事へ向かう途中、別れを決めた彼女から電話で妊娠を告げられる。自分に父親がいないという事、不安定な派遣の仕事という事、それ以外にも理由はあるのだろうが、心の迷いのまま気付けば地下通路を彷徨っていた。
地下通路のルールに気付き8番出口に近付いていくが、そんな時に彼女からまた電話が。
彼女の声に安堵しながら、子どもを喜べない主人公の心の迷いへ後押しした電車でのある出来事。本音を明かしながらも彼女の言葉を信じた結果、また異変のループへ引戻され絶望を味わう。
そこで話は"歩く男"へと変わる。
ゲームを知っている人なら、この人の裏側が!とテンションが上がると思う。NPCだと思っていた人も人間だった。ここで闇を感じます。"歩く男"も別の"歩く女"を見ていたので、どんどん引きづり込まれているのかもしれません。
そして後半のキーとなる、"少年"の存在。
顔の傷が付いたときに(あ、時空が歪んでいるのか)と思いましたが、その後の【お守り】含めて1からよくこの話を作ったなと。
冒頭から"迷う男"の登場までは、主人公目線なので、苦手な人は酔うと思うが、没入しやすい作り。
ゲーム同様、最初2回は異変なしで進んでから、初めて客観的視点に切替り、自分も無意識に異変を探していた。
なるほどと思ったのは、
異変の一部は、主人公が見てたスマホ(Xらしきスクロールの中)にちらほら登場してたので、異変ももしかして"迷う男"の心理的にどこかに眠っていた記憶から影響しているのかもしれない。
地下通路で見ていた広告も全て、8番出口後の駅構内に掲出されていたので、もしかしたら前半に写っていたのかな?と。
最後、出口は外に通じていると思い込んでたので、下に降りるときは、8番のりばに繋がるのかとヒヤッとしました。
・トータル
ゲーム知ってる人には、まぁ満足できるのではないかと。ゲームのミソも押さえつつ➕αな異変もあり、"歩く男"の裏側など。(異変が出てもなかなか引き返さない所は、個人的にイライラした。)
ゲーム知らない人には、まぁ普通かな。95分なのでエンタメとしてコスパは良し。
最後まで分からなかったのは、
主人公の喘息持ち設定。沈黙と爆音がある作品だったので、ぜぇぜぇ言う音が違和感だった。
子どもと一緒にいてからは、喘息が全く出てなかったが、あの時は未来にいて治っている...のか...?
あと冒頭のヒカキンはちょっとげんなりしましたが、
モブキャラだったので流しましょう。
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