「設定の曖昧さが残念な映画」8番出口 snowさんの映画レビュー(感想・評価)
設定の曖昧さが残念な映画
ゲームはすでにクリア済み。その状態で映画を見ました。
この映画は自分の中の「パラレルワールド」を描いている作品。二宮氏演じる主人公、すれ違うサラリーマン、そして主人公と深く関わる子供──この3人を軸にオムニバス調で物語が進みます。
全体の感想としては、キャラ作りに違和感が多い。たとえば主人公が喘息持ちという設定。前半は咳き込みが激しいのに、クライマックスで吸引器が不要になる展開は説得力に欠ける。また過去と未来の描写の切り替えが分かりづらく、観ているうちに推測はできるものの、子供や母親の立ち位置が曖昧に処理されているのも残念。
さらに「せっかく脱出したのにまた同じ光景に遭遇する」という場面。ここはゲームとは全然違う展開で、逆に歯がゆさが残った。せっかくパラレルワールドを扱うなら、三者三様のゴールを見せてほしかった。映画自体は悪くないけれど、設定の詰めが甘く、主人公の葛藤を描きたいのか、出口のない苛立ちを描きたいのか、未来の出来事を示唆したいのか、焦点が定まっていない。『8番のりば』も混ざってるのか?
その辺が明確では無いな
もしも映像コンテンツとして処理し、そのうえでゲーム要素を融合させれば「映画でもない、ゲームでもない」新しい体験にできたはず。そうすればより一層楽しめたのではないかと思う。
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