劇場公開日 2025年8月29日

「映画マニア向けの心理ドラマ」8番出口 Toruさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 映画マニア向けの心理ドラマ

2025年9月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

予告編を見て気になっていた映画。「電車男」「告白」「悪人」のプロデュースに関わり、第76回カンヌ映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞した「怪物」を企画・プロデュースした川村元気監督作品。

第78回カンヌ国際映画祭ミッドナイト・スクリーニング部門出品作品。ウォーキングシュミレーターゲームを映画化。

無機質な地下通路を歩く男が、出口に辿り着けない無限回廊の中、繰り返し同じ経路の通路を歩く中、異変に出会いつつ、8番出口を探し求める心理ドラマ。

二宮和也の他、オジサン役を演じた河内大和、子役の浅沼成が好演。単純なホラーではなく奥深い心理ドラマに仕上がっていた。

二宮和也を起用した東宝映画でありながら、単なる商業映画に止まらず、主人公の深層心理を巧みに表現。演出も素晴らしく、終始ゾワゾワ感もあり。

裏読みすれば、そこには物語なき哲学的側面があり、そのメッセージをどう受け止めるかにより、観る者ごとに感じ方や評価が変わる、インディペンデント映画を思わせる造り。思いの外映画マニア向けの作品。

「世にも奇妙な物語」的な展開を想定していた方や子ども連れの一般客には、理解しづらく期待外れだったようだが、名曲「ボレロ」もよくフィットしており、十分楽しめた映画。

Toru
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。