「心の迷宮からの脱出劇!」8番出口 うさぎさんさんの映画レビュー(感想・評価)
心の迷宮からの脱出劇!
ドストエフスキーの罪と罰にでてくる、スヴィドリガイロフの悪夢の中の悪夢を思いだした。
スヴィドリガイロフの悪夢も、本作も、心の迷宮からの脱出というポイントが同じ。
スヴィドリガイロフの悪夢には、娼婦のような目で誘惑する幼女がでてくる。
歩く男には、妙に色っぽい女子高生。
二宮くんには、まだ見ぬわが息子。
スヴィドリガイロフは悪夢にうなされて目覚めるとそこはまた悪夢で、寝汗をびっしょりとかいて目覚めるとまた悪夢という恐怖の中、最後は自分の淫蕩をあざ笑うような、幼女の娼婦の悪夢で、自殺してしまう。
歩く男は、女子高生とどんな関係かは想像するしかないが、最後は人間ではなくなってしまう。きっとひどい関係であったのであろう。それでも、二宮くんのまだ見ぬ息子が、歩く男を引き止めようとしたところをみると、蜘蛛の糸的なチャンスがあったがそれを逃してしまう。
二宮くんも厳しい試練に直面するが、最後まで、まだ見ぬ息子を守り抜き、8番出口に到達することができた。
重苦しい作品でしたが、最後は、ほっとする終わり方で、平安な気持ちで劇場をあとにすることができてよかったと思う。
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