「完璧。ゲームコンテンツの映画化の正解がここに。」8番出口 ヘマさんの映画レビュー(感想・評価)
完璧。ゲームコンテンツの映画化の正解がここに。
原作の「8番出口(ゲーム)」はざっくりとプレーしていた分、インディーゲームの流行りに便乗したトリッキーな映画なんじゃないかなと訝しんでいました。センスあるプロモーションも逆に、期待値よりも出オチ感が強まる印象だったんですよね。
ところが。鑑賞して一変です。
原作ゲームのトリッキーなテイストはそのままに、現代社会に接続した自分事と感じられる物語を構築し、地下鉄通路に迷い込んでいる閉塞感を主人公の持病設定で加味して、さらにゲーム性である「間違い探し」の見せ方も観客にだけ気づかせる演出など、巧緻さも際立つエンターテインメント作品でした。
鑑賞者が、今どのように感じているか、どう思っているかを分単位で見通しているかのような、ある意味心地よい映像体験が満喫できます。蛍光灯だらけの天井シーンの登場タイミングは見事。
ゲームコンテンツは本来「ゲーム性」が主体なので、映画やアニメのような「物語性」が主体となる作品に展開される際は良くも悪くも改変されて、原作にあった魅力の一部が失われたりすることが多いですが、本作は一切皆無。原作ゲームそのものに新たな魅力を加えたんじゃないかしら。
ルール(倫理)に則り、出口を探して、出口を見つければ、出口から出られることを描く本作、非常に良心的で良作でした。
鑑賞後、地下鉄に乗るたびにロケ地の聖地巡礼をしている気分になるのも面白いね。
追記)
映画館で鑑賞するのがオススメ。「主人公が出口から出る」=「鑑賞者が上映シアターから出る」で擬似体験できるんですよね。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。