「見たほうが良い。日本の新世代の映画。」8番出口 aossさんの映画レビュー(感想・評価)
見たほうが良い。日本の新世代の映画。
「なんでこんな状況になった」「どういうことだよ」「なにこれ」といった凡庸なリアクションを抑えたこと自体が、この映画の勝利だと思う。現実的に考えるのならそんな余裕はないはずで、観客に寄り添いすぎないで表現を優先した姿勢が良かった。日本映画にありがちな押し付けがましさもなく、自然に共感できる形に落ち着いていたのが海外にも受けた理由だろう。
主演の二宮さんも自然な演技で、善人すぎず悪人すぎない日本人像をうまく表現していた。ただ一番印象に残ったのはアングルやカット割りだ。さりげない違和感や伏線を自然な形で差し込んでいるので何も考えずに視聴している人は何かを見逃してしまう。私も気づけばゲームのように画面の中から異変を探していた。
ストーリー自体に特別なものはなかったが、それもむしろ良かった。この映画の主役は人間ではなく「8番出口」そのもの、という意図がはっきりしていたからだ。
もちろん、物足りない部分もあるし、まるでワンショットみたいな演出も間が長い所もあったが、そんな点を私はマイナスにするつもりはない。世界に打って出たいのなら、このような映画の作り方がスタートラインになると思う。
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