劇場公開日 2025年8月29日

「あくまでゲーム原作の映画、ではあるんだけど、設定を邪魔しない物語作りの巧さが印象的な一作」8番出口 yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 あくまでゲーム原作の映画、ではあるんだけど、設定を邪魔しない物語作りの巧さが印象的な一作

2025年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

確かに面白いんだけど、とにかく同じ場所をぐるぐる回るだけの原作映画を、どうやって100分近い映画作品として成立させるのかな、って思ってたら、ゲームの外形と骨組みはしっかり維持しつつも、絶妙に物語性を織り込んだ映画となっていました。

鑑賞前は、あくまでゲーム原作の映画なんだから、主人公は二宮和也じゃなくても成立するのでは?と思っていたけど、人生の岐路に立っている、生活も心身状態も不安定な男性、という人物像に、ここまで動きだけで現実感を与える俳優もそうそういないのでは、と納得の演技でした。『ミッシング』(2024)の森優作の演技が本作の「迷う男」の雰囲気にかなり近いかな、とも思いましたが、彼だとここまでアクティブな印象は受けなかったかも。

進んだと思ったら元の場所に戻ってる、という悪夢的な描写、どこかで観たことがあると思ったら、本作の監督、川村元気監督は『百花』(2022)で似たような演出をしていたのでした。既に試行したことのある演出だったからこそ、今回ここまでかっちり決まっているのかー、と納得しました。

諸々の「異変」は恐ろしくも楽しませてくれるんだけど、本作を観てしまうとゲームの方の難易度が劇的に低下してしまうので、初見の体験を大事にしたい人はゲームをプレイしてからの鑑賞がおすすめ!

yui
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。