劇場公開日 2025年8月29日

「やや人を選びそうだが、不愉快にさせるところは少ないか」8番出口 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 やや人を選びそうだが、不愉快にさせるところは少ないか

2025年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年183本目(合計1,724本目/今月(2025年9月度)2本目)。

 このゲーム自体はものすごく有名で、それこそAppleストアでもGoogleストア(だったっけ?)でも、偽物?が出たりと色々ありましたが、ゲームの内容はそのまま踏襲しつつ、映画としてストーリーを足したところになります。

 ただ、足されたストーリーというのは結局「自己との向き合い方」といった、やや哲学的な分野になっていて、そこが、この元のゲームである「怪しいところを探して、戻ったり進んだり」という部分が薄くなっている(あることはあるのだが、なぜハズレルートなのかの説明がないなど)ところが人を選ぶかなぁ、といったところです。

 ただ、元の作品自体は参照していますし、プレー経験があるか同趣旨のゲームをやったことがあれば(いわゆる一人でやるミステリーもの、脱出もののアプリは多数あります)、見やすいところはあります。

 採点に関しては以下まで考慮しています。

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 (減点0.3/司法書士が何の仕事をする人か大半の人は理解できない)

 この「何度も訪れる通路」にはいくつかポスターがありますが、そこに司法書士のポスターがあります(これは原作にもあります)。ただ、「司法書士のポスターがちゃんとある」と言われても、大半の方は司法書士が何をするかをご存じではないと思うので(かつ、法律ネタには一切飛ばない)、もう少し配慮が良かったのではないかなぁ、と思います(なお、理不尽度が高くなるので、司法書士を行政書士に書き換えるというトリックはありません。さすがにこのトリックが入っていると、「どういう人が見たらよいかわからない」という指摘になるので、ある程度減点対象が大きくなります。

 ※ 要は最初から「何とか弁護士法律事務所」にしておけばよかったのでは、というところです。
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 (減点なし/参考/司法書士って何をするお仕事?)

 不動産を売買しても、その不動産の所有権を主張するには登記を必要とします(民法177条、不動産登記法)。この「売買、贈与などで発生する不動産の所有権の登記の新規申請、変更等」を行うのがこのお仕事です。行政書士と似た部分もありますが(共管部分も多々あり)、行政書士はこれは行えない代わりに、逆に売買後に喫茶店を開きます、といったようなときの許認可の代行は(自分で行うのでなければ)行政書士でしか行えません(対保健所)。

 日本以外ではそもそも「弁護士」しか法律職がないところが多く(その後、日本でいう色々な分野に特化することが想定されているので、(日本の司法試験に比べると)難易度低めの代わりに2次試験等の論文試験(開業後の分野を選択することになるのが普通)で、日本でいうところの行政書士や司法書士、社労士等のことを問うてくることになります(論文であるかとかマーク式であるかとかという部分は違います)。

 日本は弁護士を頂点として、司法書士や行政書士等の隣接職が多いため(なお、このことは、日本の影響を受けた韓国や台湾などごく少数にとどまる)、日本では「何でも弁護士に頼んでいればよい」のは法律的には確かですが(あらゆる業務ができるため)、このように分岐した事情から、不動産登記なら司法書士、外国人の入管関係は行政書士というように「実質的に」分かれているのが実際のところです(特に後者は英語以外のマイナーな言語の外国人の方だと、対応できる方が限られるため)。

 ※ また、海事代理士等、弁護士であれば何でもできるといっても、実際には資格を持っていてかつ会員として色々会報を読むなどしないと「そもそも何も行動すらできない」というような隣接職もあります(ほか、土地家屋調査士も、か。社労士はギリギリ?)。

yukispica
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