「観る前の最大の期待感は裏切られ、嫌な予感を裏切らない内容。実はカンヌって何でも出品できるの?覚悟できない男の見た間違い探しゲーム白日夢。」8番出口 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
観る前の最大の期待感は裏切られ、嫌な予感を裏切らない内容。実はカンヌって何でも出品できるの?覚悟できない男の見た間違い探しゲーム白日夢。
「8番出口」というキャッチーで象徴的なタイトル、本当に何でもない日常のようでも何かありそうな地下道、期待感を最大限に押し上げてくれる予告編、特におじさんと観る前の期待感が一番良かった。観る前までに本当に盛り上がって、待ってました。
それだけに、嫌な予感も最大限。
こういう予感は残念ながら的中するもので、良い意味で裏切られることは本当に少ない。
お膳立てとパッケージは満点でしたが、中身はひどかった。
想定範囲にも及ばず、本当に残念。
本当に面白そうなテーマなのに、ほんとうにもったいない。
これをIMAXに掛けるハッタリも凄い。
カンヌって何でも出品できるの?
映画の宣伝部は実に凄い仕事をした。
別れた直後の彼女から妊娠の事実を突きつけられ対応を迫られる男。
認知して育てる覚悟が持てないまま、混乱と焦りのあまり地下鉄通路で永遠に道に迷う白昼夢を見る。
地下道の異変、間違い探しをクリアしないと延々に出られない無限ループ。
途中、おじさん目線になりさらに子供、JKまで登場する。
子供を見捨てたおじさんは人ではなくなり、ゲームの背景となってしまう。
出会った子供は、彼女が身ごもった将来の自分の子と知る。
女子高生は日常もここと同じ繰り返し、ここから現実世界に戻る勇気はあるのかと問い詰める。
先ほど乗った地下鉄でスマホで見た、耳ネズミも襲ってくる。
お守りの貝殻の螺旋、エッシャーの騙し絵、ボレロの調べは、無限ループのメタファー。
夢の中で、将来の自分の子供に助けられ、人間性を取り戻した男は、親の自覚を決意し、夢から脱出する。
病院に向かうことを彼女に電話した男は、向かう途中の地下鉄で、赤子を抱いた若い母親を叱責する男を見る。
なぜか、さっきと同じ男であるため、本当に夢から抜け出せたのだろうか。
男はデイバッグを無くしたことも一切気にしない。
彼は覚悟した後だから、怒鳴る男に対してさっきとは違う行動をとる。
言ってしまえば、予告編まんまの本編で、内容、要素、物語が極端に少ない。
「異変」とかいうが、ほんの数メートルの地下道だけのただの間違い探しゲームの繰り返し。
うえに単調な繰り返で飽きる部分を、安い怪物や津波で変化を持たせているところが安易で、かえって不要。
おじさん河内大和、JK花瀬琴音の不気味さは良かった!
小松奈々は特別出演か友情出演かと思った。
コメントありがとうございます。
「8番出口から『外に』出ること」
実は「外」に出ていないじゃないか、という捻りだけは感心しました。
もう少し「異変」に工夫があったらよかったですよね。
今晩は。
カンヌで高評価された作品は、個人的にはあまりピンときたことがありません。最近はアカデミー賞も同様です。
見る目がないと言われれば、そうなのでしょうが、金払って鑑賞してますから、金も払わず評価する人は論外と、常に思っています。
丁寧なコメントありがとうございます。パンフレットは買っていないのでそんな追記があったんですね。
周りの人も一緒に注意をしてくれて、その手に巻貝を持っているって言うオチはいかがでしょう。
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