「コンセプチュアルウェルメイド映画だった」8番出口 ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
コンセプチュアルウェルメイド映画だった
最初の章が終わったところで思わず時計を見た。まだ30分くらいかあ。。
良くも悪くもプロデューサー的映画だ。コンセプトしかなく深さはほぼない。深さってなんだよだけど、それはクリエイターが繰り出す予想外のあがき、もがき、馬力ってところか。深過ぎると客は来ない。変なものは望まない。なのでこの程度でいいか、というのがこの川村元気という人の能力範囲なんだと思う。
始まってすぐに思ったのは『激突!』と『シャイニング』。あとアメージングストーリーというか世にも奇妙なというかトワイライトゾーンというか、つまりパラノイア、ということで30分でよしわかった、なんどけど、これはおそらくそこから出れたら物語の終わりなのでどう出ないでいられるかとなると、子ども、で線を作るしかない。
ちゃんと話にはなってる。ウェルメイドだ。セットもいい感じだ。でもウェルメイドでいいんだっけ?と思いながら、だからヒットメイカーなんだなと思うが、とりあえず怖くはない。あんまり不気味でもない。特に女子高生のところとクリーチャーのところは付け焼き刃もいいところでこういうところがホラー入ってる人と入ってない人の違いがでる。決していい出来ではない『近畿地方』が輝いてみえたし『ドールハウス』なんてこの3倍くらいの面白さだ。逆に『近畿地方』はやり過ぎ感でドン引きされるのかもしれないが、この程度がデートにはちょうどいいのだろう。良くも悪くもそんなプロデューサーの企画書みたいなパッチワーク映画。
川村元気氏は監督の才能はあまりないので他の人にやってもらったほうが面白い映画ができるのではないか。同じような世にも奇妙な風の話だと一年間前のカンヌの『サブスタンス』の足元にも及ばない。映画監督的やむにやまれぬマグマというのはああいうものだと思う。
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