「おじさんだけじゃない。劇場内を這いずり回る音に背筋が凍る!」8番出口 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
おじさんだけじゃない。劇場内を這いずり回る音に背筋が凍る!
幕開けと同時に始まる主人公の視点で描かれる長回し映像が素晴らしい。
電車内で怒鳴り散らかす非常識野郎を見つめる視線や、ホームを降りて階段を昇る映像、そしてスマホでの会話に気を取られ、いつの間にかループしている事に気付く目線。
二度目の証明写真ボックスをチラ見する映像だけで主人公が異変に気付き、観客に「何かおかしな事が起こっている」と伝えてくる演出が実にお見事でした。
視点映像(POV)でループするゲームを映画にしている性質上、長回しが多く、ロケーションにも変化が乏しいです。
そんな繰り返しが続く映像の中で多彩な表現を求められる二宮さんには大きな比重がかかっていたと思いますが、かなり頑張っていらっしゃいました。
呼吸音なども使って主人公がどんどん不安に陥っていく様子を見事にサポート。
単調になりがちな繰り返し映像に変化を付けておりました。
そうした二宮さんとは逆に同じ動きを繰り返して見事に観客の心を掴んだのが「おじさん」役の河内大和さん。
眉ひとつ動かさず同じ歩き方を繰り返す彼を見た海外の観客から「CGだと思った」という声があがったというのも頷ける圧巻の無表情。
近くにいたらマジで怖い。
近所の映画館で、おじさん看板が早々に無くなったのも分かる気がします。
更に本作は音も重要。
音響設備のしっかりした劇場で観る事をおすすめします。
劇中、主人公が真闇に飲み込まれるシーンでは、異様な音と共に赤子の声が劇場中を這いずり回ります。
あちこちから響く音に恐怖が倍増する事間違いなしですよ。
是非劇場で体感してみて下さいね。
共感ありがとうございます!
いや本当に音が重要な作品でしたね。カメラワークも振り返りが多かったので、音の大きさと出ている方向が作品の「怖がらせ度」を上げる重要な要素だったと思います。
ゲーム自体も単純なゲームなので、映像化するのに肉付けに苦労したと思います。逆に小松菜奈も二宮和也に会うために「8番乗り場」を探すとか、そういうシチュエーションにすれば河内大和で尺稼ぎしなくても良かったと思います。
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