劇場公開日 2025年8月29日

「映画に何を求めるかで評価が変わりそう」8番出口 AZUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 映画に何を求めるかで評価が変わりそう

2025年9月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

斬新

ドキドキ

元のストーリーがあるわけではない単調なゲームから、よくここまでストーリーを作りあげ、映画的なエンタメ性を組み込んだなと、監督の発想力がすごいと思った。

始終不気味な雰囲気を視覚的にも聴覚的にも感じさせ、地下鉄通路という閉塞感と、主人公が喘息もちという設定からの息苦しさで、見ているこちら側も呼吸が浅くなり息苦しさを感じる。この没入感はとてもおもしろい。

しかし映画が進むにつれて、主人公はどんどん焦ってパニックになったり、無気力になったりしていくのに対して、見ている自分はどんどんハラハラ感が薄まり、息苦しさも無くなり、むしろ変わらない環境に慣れてしまい冷静になっていってしまった。なんなら、わかりやすい異変なのにも関わらず、鈍感に動く主人公たちにモヤモヤしてしまった。

メッセージ性もわかる。主人公の人生の迷いを無限の地下鉄通路と合わさっているのもわかる。
しかし私は主人公の悩みがどうも個人的に共感ができなかった。共感できる人も多いとは思うけど、あの彼女との短い電話のやりとりだけでは、主人公の悩みや葛藤に寄り添って見ることができなかった。なんだかすごく男性的な視点だなと感じてしまった。

全体的にシチュエーションパニックに少し繊細さとドラマチックさをを入れましたみたいな感じなのだが、なんとなく日本より海外の方がウケが良さそうな作品だと思う。

ゲームが人気なこともあり、小さな子供たちも何人も見にきていたけれど、一応ジャンルはホラーなので、大きな音や、驚かしてくる系が苦手な方、途中津波の描写もあるので津波にトラウマがある方は注意が必要。
また冒頭は主人公の視界で進むので、三半規管が弱い人は見ていて多少酔ってしまうかも。

ゲームから広げた世界観という点は大変興味深くおもしろいと思ったけれど、ゲームからということがなかったら映画的には面白かったかと考えると今ひとつという、評価がなかなか難しい作品だった。

AZU
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