「観て損はない」8番出口 さーさんの映画レビュー(感想・評価)
観て損はない
ゲームは、実況で内容を知ってる状態で観に行きました。
◯ストーリー
何かが物足りない。普通。
冒頭に主人公の日常や人間関係が分かるシーンを入れたら、もう少し物語に入り込みやすかったのかもしれない。
ニノの演技は相変わらず素晴らしくて、言うことは特に無し。ただ、喘息がやりすぎというか、あまりにゴホゴホし過ぎて人によってはウザくなってきます。なんの伏線にもなってないし意味無し。
歩く男目線に切り替わるシーンはワクワクしました!普通の人間だったのに、あるきっかけで8番出口に取り込まれた?解釈はとても良かったです。
途中から現れる男の子は、ゲームで詰んだ時のお助けキャラみたいだなぁ思いました。とてもいいオリジナル登場人物です。正体はそんなに予想外ではなかった。だろうね、って感じ。
女子高生にも何か物語があるのかなと思ったんですけど………ありませんでした。
こう見ると魅力的な登場人物ばかりなのに、ゲームに寄り添いすぎて手持ちぶたさになってる感が否めない。
思い切って8番出口の謎を解き明かす、みたいなオリジナル要素を入れたらもっと面白かったのかなと思いました。足し算が下手。おじさんを救ってあげて。
◯原作の異変+オリジナル異変
原作を知っている身では、映画オリジナル異変は新鮮味があり、とても良いオリジナルだと感じました。
移植ネズミの異変は、新しい生命への恐怖と解釈したのですが、いかんせん、そのシーンがあまりにも長くてただうるさいだけ。異変なんだから早く引き返せよ、と思いました。
原作でも存在する赤黒い水が押し寄せる異変、主人公の状況を考えると、羊水のようなものに感じた。後、女子高生異変好きなんですけど…出番が少ない。
オリジナルを入れるなら、もう少し思い切ったオリジナルがあっても良かったのかも。
◯テンポ感
原作通り同じ景色が続くので、中盤で飽きます。異変確認は早くなってる筈なのですが、何故かいつまで経っても異変を見つけるテンポが悪いと感じる。RTAみたいに早くしないと飽きる。
喘息で主人公が倒れたシーンは、動かなすぎて「悪い間」になってます。演出の「間」は使い方を間違えると、あんな気まずい空気になるんですね。映画の再生機器が壊れたのかと思い、一瞬現実に戻されました。
飽きた頃に展開がちょくちょく変わってくれたのでプラマイゼロです。
◯BGM、音響。
うるさい。
テーマソング?というかテーマBGMに「ボレロ」を選んだのはセンスがあると思います。エンドロールでボレロを聞けて満足です。
観て損はない映画ですが、絶賛、とまではいかないような位置の映画。
冒頭の、一人称視点のゲームの様な演出はとても素晴らしいです。そこは観る価値ありです。エンターテイメントとしては良い方なのでは。
これは余談なのですが、過去に川村元気監督の小説を読んだことがあり、とても感動した記憶があるのですが、映像化した途端微妙になるんですよね。
今回もやっぱりこうなったか…って感じです。
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