「無」8番出口 +さんの映画レビュー(感想・評価)
無
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各配信者の「8番出口」を見てきた観客からすると"面白さ" の面で物足りない作品である。
この面白さとはコメディを表しているのではなく、"未知のものに出会った時の恐怖とワクワク"の事だ。
ゲーム原作の映画としてゲーム以上の人気は出ないが原作が人気だからこそ話題性や期待は高く、ゲーム内の異変を上手く映画用に演出していた。
しかし、"初めて"に勝るものではなかった。
原作を知っている人が多いからこそ、異変・少ない登場人物や変わらない場所を"どう演出するか"をメインに見てしまう層は少なくない。
「ふーん、そういう感じね」ってなる感覚。
それが面白いと感じる人もいるが、このゲームの特性である「突然無機質な地下道で異変が『ある』か『ない』かが自分だけに託されている状況」という精神的恐怖をもっと感じたかった。
例えば追い詰められた状況の表現とか。
異変を起こす側であるおじさんのストーリーで魚眼や一人称視点を使って緊迫感を出したり 映画だからできる登場人物の表情とか心情のうつし方があっても別の良さが出ると思った。
1番良かったのは、無機質×ラヴェルのボレロを合わせたこと。
全体を通して音量が徐々に大きくなっていく特徴をもつボレロを合わせることで、視覚と聴覚のミスマッチを"異常"として感じられる。
出られない・間違えられない・出たい気持ちがクレッシェンドと合っていて見ているこちらもドキドキした。
登場人物のストーリーの絡め方と中途半端なホラーは少し残念だが、単純で無機質なゲームをいかに1時間超えの映画として成り立つように考えたものとしては、良い作品だった。
原作のタイルマンを一人称視点で出したらもっといいのにネ♪
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