「IMAX先行上映にて観ました」8番出口 いくみさんの映画レビュー(感想・評価)
IMAX先行上映にて観ました
二宮さんのファンです。
正直に言うと、ゲーム自体はやったことがなく、好きなゲーム実況者がYouTubeでやっていた配信をみただけ。ただ、その方が楽しそうに全ての異変をやりこんで全部見つけていたので、そういう意味では「原作」の知識はある方かと思います。
前半はかなり原作に忠実。
みたことのある異変が出てきて、でも"迷う男"は気付かない。ニノ!そこ!異変!引き返して!!と画面の向こうに言いたくなるような、まさにゲーム実況を見ている気分。
8番出口の仕組みをこちらに認識させるまでループしていく導入は、カットが分かれているはずなのに、それを感じさせない不思議な作りで、まさに引き込まれていきました。この通路をループしてるんだ、ということを耳に良い意味でイヤに残る効果音でも感じられました。
原作を知らない人はどんな感情になるんだろう……。
二宮さんの演技を見ていると、現実で実際に奇妙なループに巻き込まれたらきっと人はこんなふうになるんだろう、と思えました。実際に巻き込まれたことなんかありえないし経験することもないはずなのに、あぁリアルだなぁと思える。二宮さんが巧みに演じる、苛立ちや、恐怖という感情のグラデーション。
もちろん"迷う男"はたった一人で迷い込んでるので「こわいなぁ」「こまったなぁ」なんてわかりやすく感情を言葉に出すわけじゃないので、二宮さんは表情、呼吸、仕草、動きで表しています。男の些細な焦りなども感じられてファンとしてさすがだなぁと感心しきりでした。私は二宮さんの目の演技が好きなので、今作存分に楽しませていただきました!
原作ではあるあるの「いいとこまで進んだと思って少し余裕ぶったら0に戻る」がいつ、どこで発動するかな……と思いながらソワソワみてると、ついにその時が来ます。まさにそこから、ガラリと物語の雰囲気が変わります。
迷う男が8番出口のループに巻き込まれた意味、それによってどう彼に影響を及ぼしたのか、監督が書かれた小説を読めば(迷う男のバックボーンなども知れるようなので)もうすこし解像度はあがるのかと思いますが、ほどよく観ている側に考えさせてくれる余白がとても素敵でした。
8番出口原作は進んでも引き返しても同じ場所に戻るので「ここにこうやってつながるんだ」という妙な気持ち悪さを感じていたのですが、登場人物5人にもその気持ち悪さを感じました。総じて「8番出口っぽい」と思いました。
原作にはない部分がまさにこの実写映画の軸になる部分ですが、大枠である「ゲームなのでありえないことがあたりまえに起こる原作」を、映画オリジナルストーリー、出てくる出演者のリアルな演技、物理的に完全再現されている駅構内通路、錯覚を起こすようなカット割りや編集、映画が持っているすべての力で現実世界に落とし込んでいて、とにかくすごい、の一言です。
原作リスペクトを感じる作品だなと、とても思いました。
ネタバレなしで書くの難しい〜!
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