プレデター バッドランドのレビュー・感想・評価
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愛の戦士プレデター
いい意味で期待がおおいに裏切られた。
今作のプレデターは、愛の戦士である。
父に殺されそうになったところを、兄にかばわれるが追放される。プレデターは、 強い者を倒し、その頭部の骨を持ち帰ることが存在証明になる。
一回り体が小さく、実力が認められない主人公のプレデター、デクは、家族から虐げられ、それでも自分の存在証明のために、最強のモンスターを狩りに行く。
その狩りの過程で、下半身のない女アンドロイドや家族愛に飢えている可愛げなモンスターと知り合い、絆を深めていく。
モンスターやアンドロイドが、化物がたくさんいる惑星でサバイブする話だから、感情移入がどうだろうと思っていたら、これがどうして、すっかりハマってしまった。
虐げられた者たちが、本物の家族になるべく団結して戦う。異型の者たちの集団だが、キャラクターの魅力を十分に表し、ストーリー構成も上手いので、キャラの魅力にぐんぐん引き込まれていく。
なんせ主人公デクが、かっこいい。これまでのプレデターシリーズは全部視聴済みだが、初めてプレデターをかっこいいと思った。マザーファッカーと馬鹿にされてきた見にくい口の形も、いい感じにスタイリッシュに仕上がっていて、特に横顔がとってもかっこいい。戦闘シーンも大迫力である。
エル・ファニング演じる女アンドロイドも、魅力満載である。可愛らしい表情と明るい会話で、一気に観客を好きにさせる。スタイルも抜群にいいので大スクリーンに映えるし、本作でファンになってしまった。
元来、プレデターはただひたすら戦いまくるというところがキモのようなところがあったが、やっぱり映画はストーリーだということを痛感させられる。シュワちゃんが頑張った1作目と街中を舞台にした2作目以外は、新鮮味にかけるし、駄作だったことは疑いない。シリーズが続くにつれ、どんどん面白くなくなっていったので、もうダメかなと思っていた。
ここに来てこの作品である。この監督の人気作である、ディズニープラスのプレデタープレイも素晴らしかったが、負けず劣らず、本作品も素晴らしい出来であった。
上記、私が劣化していると言った、これまでのプレデターシリーズが好きだという人には、向かないかもしれない。なんせプレデターが喋るし、正義感があるし、守るものを大切にする家族愛が見えるため、「そうじゃないよ」と言いたくなる人もいるだろう。実際そういう批評もあるのではないか。
しかし私は、俄然この仕切り直しに賛同する。プレデターの世界観を新たに構築し、素晴らしいストーリーに仕上げた。戦いに徹するこれまでの作品で見られたプレデターの姿もしっかり描いているし、ストーリーが進むにつれて、そこから新たな映画へと進化していく、その構成も素晴らしい。
男臭い予告編や女人禁制ようなキャッチコピー、ポスターなどでだいぶ損をしているような気がする。普通にカップルや下手したら家族で見ても良さそうである。キモかわいいキャラクターも出てきて、普通に楽しめる。ただ、ひたすら強い者バトル、というような映画ではない。
エイリアンに登場するウェイランドユタニが全面に出てきて、世界観も大きく再構成された。個人的には続編をぜひ作ってほしい。ちょっとおまけして星5つにした。賛否両論あるのかもしれないが、是非続編を作ってほしい。
また、IMAX を是非お勧めする。戦闘シーンも大迫力だし、アクションの効果音も素晴らしい。
血族の掟
エル・ファニングの表情
IMAXで鑑賞しました。ストーリーそのものは正直それほど重要ではなく、どちらかといえば“プレデターがいかに獲物(トロフィー)を求めて戦うか”というシリーズ的なお約束を丁寧に踏襲した作品だと思います。主人公側の家庭事情なども描かれますが、物語を楽しむというより、アクションやCG表現をどう見せるかが中心に据えられている印象です。
本作で特筆すべきなのは、CG空間の中にエル・ファニング一人だけが生身の人間として存在するという構造です。プレデターを含め、ほとんどのキャラクターがデジタル上に作られた存在であり、その中でエル・ファニングだけが“人間の顔”を担っているため、彼女の表情と微細な動きが画面の要となっています。
特に、彼女が演じるアンドロイドの姉妹ティアは下半身が壊れた姿で登場し、基本的には上半身と顔で感情を伝える役柄です。CGに囲まれた環境の中で、彼女の表情演技が作品全体のリアリティを支えていると言っても過言ではありません。エル・ファニングはもともと変身的で表情の幅が広い俳優ですが、その特徴が今回は非常にうまく機能していて、CGの空気の中に“人間の温度”を持ち込んでいました。
前回鑑賞した『トロン:アレス』では、主要キャラクターがほぼ全員CG空間内で演技し、さらに人間役の俳優の表情の動きが小さかったために“感情の揺れ”が見えにくいという問題がありました。しかし本作は、その逆で、表情が強いエル・ファニングを中央に据えることで、CG空間でも感情の機微がクリアに伝わる構造になっていると感じました。
アクションそのものはシリーズらしく安定していて、IMAXの音と映像の効果で迫力も十分です。ただ、やはり見どころはアクションよりも“人間の顔がCG世界でどう機能するか”という点にあり、エル・ファニングを主役に据えたという選択がこの作品の成功の大部分を決めていると感じました。
鑑賞方法: IMAX
評価: 72点
早見沙織 声優ってすごい。プロ中のプロ。 映画を盛り上げる
めっちゃ喋るな
キャメロンが掌返した良作
光学迷彩を身にまとう謎の宇宙人に、筋肉モリモリマッチョマンのシュワちゃんが立ち向かう重厚なSFアクションから始まったプレデターシリーズですが、今作では友情・努力・勝利、そしてラブ&ピース(?)と、少年ジャンプ的展開に振り切っています。
1時間40分のほぼ全編に渡って繰り出される怒涛のアクションで視聴者の脳ミソをドーパミン漬けにしつつ、家族愛に満ちたプレデターの成長記という、良い意味でザ・ハリウッドな作品です。登場人物も少なく、単純明快なストーリーで非常に娯楽性が高いです。
ところで、『エイリアン』シリーズに登場するウェイランド・ユタニ社の名前が出てきましたが、これはエイリアンvsプレデターの新作を期待して良いのでしょうか?
痛快娯楽SFアクション!!
鑑賞動機:予告9割、あらすじ1割。
そこまで思い入れはないので、同じ事してるならスルーしているところだが、捻ってきているということで。まあ続編はもういいかなとは思うが。割と楽しんだ。人間が一人も出てきていないはず。
ちゃんと感情表現できているデクくんは、ある種特別な存在なのか。イキリ散らかしてるヤンキーに見えないこともないような…。バド可愛いよ…すぐに可愛くなくなるけど。
モンハンしてるプレデター
ヤウージャ族で一人前として認められたいデクはもっとも危険と言われる惑星への「狩り」におもむく。
宇宙船が不時着したその惑星ゲンナは危険な原生生物の棲む星だった――
狩りに出向いた星はプレデターも苦戦するような原生生物がわんさか。
その中でも狩りの標的としたカリスクは巨大なモンスターの様でさながらモンスターハンター。
今回はデクという1人のプレデターに焦点が当てられた物語で、そうした部分も見所です。
1987年にアーノルド・シュワルツェネッガーが透明な異星人の狩人として対決したプレデター。
敵役のプレデターの人気から続編やエイリアンと対決するクロスオーバー作品など様々なシリーズ化がなされてきました。
いち敵役から主人公にまでなったプレデター、デクの物語を存分に楽しめました。
プレデター バッドランド 初期設定は?
緊迫感は薄め…
友情と絆で魅せる新境地!
■ 作品情報
「プレデター」シリーズで初めて、プレデター自身を主人公に据えた作品。監督はダン・トラクテンバーグ。主要キャストは、アンドロイドのティア役にエル・ファニング、若きプレデターのデク役にディミトリウス・シュスター=コローマタンギ。脚本はパトリック・アイソン、ブライアン・ダフィールド。原案はダン・トラクテンバーグとパトリック・アイソン。製作国はアメリカ。
■ ストーリー
一族から弱者と蔑まれ、父からも見放された若きプレデター・デクは、名誉を挽回するため、誰も倒したことのない究極の捕食者「カリスク」を狩るべく、生存不可能な危険な惑星、通称「バッドランド」へと足を踏み入れる。バッドランドでの過酷なサバイバルの中、デクは下半身を失ったウェイランド・ユタニ社製のアンドロイド・ティアと出会う。 二人はそれぞれの目的を果たすため、凶悪な生物が跋扈する環境や、カリスクを狙うウェイランド・ユタニ社の妨害に立ち向かい、異色の共闘関係を築いていく。その中で、 デクは新たな価値観に触れ、自らの存在意義を見つめ直すことになる。
■ 感想
その昔、初めて観た第1作がちょっと怖くて、以降の作品を観てこなかった「プレデター」シリーズ。しかし、本作の予告編で観た、プレデターが"狩られる側"になるという斬新な設定と、エル・ファニング演じるキャラクターとの軽妙なやり取りに興味を覚え、公開2日目に鑑賞してきました。結果、期待を大きく上回るおもしろさで、満足度は非常に高かったです。
本作の主人公であるプレデターのデクは、シリーズのこれまでのイメージとは異なり、一族の弱者として描かれています。そんな彼が、自身の汚名を返上し、唯一の理解者であった兄の敵討ちを果たすという、明確な目的を持って旅に出る姿は、感情移入しやすく、物語に引き込まれます。そして、最悪の地「バッドランド」でのアンドロイドのティアと現地生物のバドとの出会いが、デクの運命を大きく変えるという展開が、なかなか熱いです。
戦闘種族の落ちこぼれのデク、陽気でウィットに富んだティア、そして無邪気でどこかファニーなバド。この個性豊かな即席チームが旅を続ける中で、デクの閉ざされていた心が少しずつ解き放たれていく様子が、本当にほっこりとして心温まります。プレデターという存在から想像もしなかった、心温まる友情と家族の物語が描かれていることに驚き、そして感動します。
もちろん、ウリのアクションシーンも見応え十分です。プレデターならではの多彩な武器を駆使し、バッドランド特有の動植物や、アンドロイドたちとの激しいバトルは、迫力満点です。ラストは、もちろん察しのつく落としどころではありますが、故郷に帰っての親子対決をきちんと観せてくれるので本当にスッキリします。
しかし、その後に早くも続編を予感させる展開が! この魅力的なチームの新たな活躍がまた観られるかと思うと、次作への期待が高まります。今回は上映時間の都合で吹替版で鑑賞したのですが、ティア役の早見沙織さんの演技が、本作の魅力をいっそう引き上げており、結果的に大正解だったと感じています。
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