劇場公開日 2025年11月7日

「「プレデターである必要あるか?」は置いといても別に……」プレデター バッドランド しーぷまんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 「プレデターである必要あるか?」は置いといても別に……

2025年11月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

シリーズはドラマシリーズの「ザ・プレイ」と派生作品映画の「AVP2」のみ未視聴。
また関連するビデオゲームや小説、コミック、アニメもノータッチのわりとライト層に当たる?者です。

ん〜〜〜〜〜"刺さらない"。
全然食指が伸びなかったです。
「悪い作品」とか「金返せと思うほどつまらない」わけではないんですが、
話は平凡だし別に「プレデター」の要素も「エイリアン」の要素も上手く扱えてなかったと思います。
そもそも「これプレデターでやる必要あるか?」ってのもあるんですけど、
そうじゃなかったとしても
「厳しい戒律によって負け犬の烙印を押された主人公が、未開の地で奮闘し大成する」
って別に目新しい話でもなんでもないんですよね。

ただ一見すると「話の骨子はプレデターと相性いいんじゃね?」と思うし、上手くやれば「プレデターやエイリアンの世界観もといヤウージャ族の掘り下げになるよね」って私も多少の期待を持って観に行ったんです。
ですが後述する理由によってそれも全くうまくいってないと思いました。

①ブレッブレのヤウージャ族達
…まず彼らの価値観として「強い者には敬意を示し、弱き者は淘汰される」というものがあります。
これはシリーズを通して一貫してますし、この映画でも序盤はそう描いていました。

…そう、「序盤は」。
まず主人公のデクとクウェイの兄弟。固い絆で結ばれていて、なおかつ二人とも「父のような強く気高い戦士になる」事を夢見ているのは分かるんですが、話のきっかけからしてまずいきなりお父さんであるニョールを裏切るので「え、厳しい掟は?」となります。
そしてデクも序盤に助けてくれた相手に敬意を示したり恩義を感じたりせず、「物語が進むにつれて態度を軟化させていく」ので「お前にはまずヤウージャ族の矜持が足りねぇよな?」となってしまいます。
つまり序盤で「今までのプレデターシリーズと地続きですよ〜」と見せてるのにその直後から矛盾しまくるわけです。

ただデクはまだ「ブレ値」としてはマシな方で、一番はデクの父であるニョール。
そもそも「成人の儀」として狩りを行わせて、そこで生き残れない者が自然淘汰されるんでしょ?
なんで狩りに行かせずに自分の手で息子を亡き者にしようとしてんの?w
クウェイの言う通り狩りに行かせればよかったじゃん。
実際(シリーズに登場したプレデターと比べると微妙だけど)狡猾さや原生生物の特性を武器にする知恵を持ち合わせてたわけで、
完全に「じゃあやってみろ」の一言で何もかも上手くいくはずでしたよね?
なんでそこだけ今までのプレデターシリーズと違う風に描いたんですかね?
ここら辺の序盤のやり取りでまずモヤっとしたので全然物語に感情移入できませんでした。
最後も字幕だと(負けたくせに)「降伏しろ」とか言ってやがるから「何様だコイツ…」ってなりましたし。
プレデターなら自分を倒した相手には敬意を表して接するべきだろ!
そもそも復讐譚みたいな話にするのが無理がありましたね。
普通に「標的を最強生物に選んだら無理だと言われたから見返す為に単身乗り込んだ」とかシンプルにしとけばシリーズとの矛盾も防げたのに、変にシリーズファンに目くばせなんてするから……

②会社の利益を考えない欠陥アンドロイド2体
…観た人なら言わなくても分かると思いますがティアとテッサの2体。
全くもって会社の為に働けない無能アンドロイドですw
特にティアは「原生生物との円滑なコミュニケーションを取って利用する為に人間に限りなく近い感情を持っている」という事ですが、はっきりいってだいぶ初期から任務度外視で動いてるし、プログラムを修復したりしてるくせに終始非合理的な感情に流されまくっていてとてもウェイランドユタニの作った「利益を優先するアンドロイド」に見えませんでした。
まあ、ユタニ製っぽいといえばそうかもしれませんが……
あと中盤で処置台一つ動かせなかったくせに終盤では下半身のみ、上半身のみで他のアンドロイドを軽々ぶっ壊す膂力もあるし。
「殆ど何もできずに中盤の戦いが終わる」って展開にしたいが為にこのシーン入れたように感じました。
そのせいで矛盾が生まれています。

テッサの方はティアと比べるとまだ会社の為に動いているように見えますが、「廃棄される事に怯える」って描写を入れたせいで彼女もまた微妙にブレていくんですよね。
テッサの方はティアと違って「高度な感情」が入っていないらしいんですが、それならティアを庇って故障したという行動に出た理由も分からず仕舞いですし、「間違いだった」とか後でいうならアンドロイドならその場で判断できただろw

と、まあまあ不満は多いです。
原生生物にも別に目新しい要素もなければ、「プレデターが狩られる側になる」ってお題目も蓋を開けてみたら普通に自分よりも明らかに格上の生物をバンバン八つ裂きにしていくので、
「狩られる恐怖を味わうプレデター」の新鮮味もめちゃめちゃ薄いです。

という事ですげー予算かけたらしいわりには別に面白さも絵的な新鮮味もない、退屈な一本になってしまいました。
「光学迷彩有りのプレデターと無しのプレデターが戦うとどうなるか」とかはちょっと面白いなと思ったんですが、
最後に敵へトドメを刺すのがデクじゃなかったりとかして「いや、そこはちゃんと自分でケリをつけさせろよ」と思ったり、
とにかくブレッブレの一作でした。

あまりオススメはしないかなぁ…特にシリーズに強い思い入れがある人とかは「過去シリーズと同じに見せかけて…」って不意打ちで拒否反応持つ人もいるかも。

しーぷまん
しーぷまんさんのコメント
2025年11月20日

エンタメ映画なんだから「細かいことが気にならない映画」を作ってほしかったです。
面白ければそういうの気にならないですから。
それに「"私が"お勧めするかどうか」は私次第ですので、
私に「おすすめしないとまではならない」と言っても意味無いんじゃないですかね?w
別に私も私と違う意見を否定する気なんてないですし。
なんで「人それぞれ」ってご自身で結論出てるのに上記のコメントされたんですか?

しーぷまん
のぶさんのコメント
2025年11月19日

エンタメ映画だから、細かいことを気にしなくていいと思う。
実際の人間社会でも、言ってることとやってることが違ったりということはよくあることだし。
お勧めしませんとまではないと思うけど。
まあ、人それぞれですが。

のぶ
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