「なんか違う」プレデター バッドランド FUNAOさんの映画レビュー(感想・評価)
なんか違う
本作は“プレデター”として捉えると、正直かなり違和感がありました。純粋なSF作品として見ればそれなりに楽しめる部分もあるものの、シリーズ特有の“プレデターらしさ”が薄く、別物のように感じてしまいます。
特に残念だったのは、象徴的なマスクの扱い。プレデターといえば、あのマスク。常にマスクを身に着けていてほしいというファンとしての期待が満たされませんでした。
また、人間キャラクターが一切登場しないことで感情移入しづらく、ストーリーのメリハリも弱め。戦いのシーンは多いものの、映像がCGに寄りすぎて実写感が薄く、観ていて少し疲れてしまう場面もありました。アクションとSF描写に全振りしすぎて、作品の中に“休憩ポイント”や心を寄せられる瞬間が少なかった印象です。
シリーズ過去作とのつながりもほぼなく、ファンが期待するようなオマージュ的シーンがもっとあれば嬉しかったところ。さらに、プレデター特有の残酷性・残忍性が抑えられ、全体的に子どもでも観られるようなマイルドな作品になっており、大人向けのハードさを期待した身としては物足りなさを感じました。
全体として、ディズニー的な“王道で安全な物語”に寄せている印象で、シリーズにあった毒気やダークな空気が薄まりすぎたのが惜しいところです。プレデターらしい厳つさや世界観をもっと活かしていれば、よりシリーズファンにも響く作品になったのではないでしょうか。
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