「別世界体験とエル・ファニング!」プレデター バッドランド 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
別世界体験とエル・ファニング!
「プレデター」という言葉を聞いてかすかに「聞いたことがあるような」気がした。その程度なので過去作は全く知らないが、予告編で観たティアの魅力だけで観賞を決めた。
【物語】
とある惑星の一族ヤウージャ族は狩りで暮らし、その戦闘能力の高さだけが男の価値だった。 族長の息子、デクは小柄で戦闘能力において劣っているため父親から疎まれていた。弱者は淘汰されるべきという考えを持つ父親は、兄クウエイに対してデクを殺せと命じるが、弟をかばったクウエイを目の前で殺し、デクをGennaという惑星に送ってしまう。
Gennaは“バッドランド”と呼ばれる宇宙一危険な惑星だった。 Gennaに着いたデクは父に自分を認めさせるために、父も恐れるカリスクという惑星の支配者を捕獲して持って帰ろうと考える。しかし、カリスクにたどり着く前に、危険な生命体たちに次々と襲われる。そんな中、上半身しかない地球から送り込まれたアンドロイド、ティア(エル・ファニング)と出会う。デクはカリスクと出会ったというティアと手を組む。 過酷な世界でサバイバルを続ける中、小さな生き物バッドにも出会う。
【感想】
期待を超えて大いに楽しめた。
まず、冒頭数分のSF大作っぽい映像に興奮。
映像に力を入れた作品であることは予告編から何となく予感していたので、できるだけ大きなスクリーンを選択して観賞したが、期待通り。全編を通して、いかにも金のかかった、ハリウッド作品らしい映像に満足。コロナ前には頻繁に見られたハリウッドSF大作だが、コロナ以後はなかなかお目にかからず、久しぶりに見たような気がする(最近ではトロンが有ったが、夜の都会が舞台の中心だったそれとは趣が相当違う)
2つ目は作者の想像力に感心。
「良くこんな設定を思いつくな」と。本作は地球が出てこないどころか人間(地球人)が出てこない。異星人と地球から送られて来た人型アンドロイドのみ。地球が出てこないのはSTAR WARS等、宇宙を舞台にしたSFでは何作か観たが、人間が出てこない作品は初めて観たような気がする。 異星の風景も含めてまさに日常からかけ離れた別世界を体験できる。
予告編で嫌悪感さえ覚えた醜悪な姿のデクも終盤になる頃には親しみを覚えるから不思議。また。同じく姿形は醜悪なバッドの方は行動が可愛くて、すぐに愛着を感じてしまった。この手の作品ではマスコット的生物を登場させるのは常套手段ではあるが、表情と言うより行動・しぐさが絶妙。すっかりはまった。
そして、本作の肝はなんと言ってもティアだ。
冒頭で書いたように、予告編を初めて見たときから「可愛い!」と思ったのだが、演じているのがエル・ファニングであることは後から知った。彼女を初めて観たわけではないが、俺の記憶の中では少女だったのですっかり大人の女性になっていて分からなかった。ティアは下半身の無い姿で登場するのだが、アンドロイドだから有り得るというこの設定も斬新。しかも下半身がちぎれた姿でも可愛いから凄い!(笑) 可愛いだけでなく、ティアは小生意気な言動でデクをイラつかせるのだが、ほぼ表情と口調だけの演技なのにこれが秀逸。生意気さも含めてとても魅力的キャラを作り上げている。
観賞後にチャッピー(Chat-GPTにこんな愛称がついていることは流行語大賞ノミネートの発表で初めて知った)に聞いたら、シリーズ過去5作においては3作目を除いて舞台は地球で、5作全てが主人公は人間だったとのことなので、シリーズファンにとっても本作は斬新なものになりそう。
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