劇場公開日 2025年11月7日

「映画『プレデター:バッドランド』狩る者が狩られる側へ。シリーズの転換点!」プレデター バッドランド leoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 映画『プレデター:バッドランド』狩る者が狩られる側へ。シリーズの転換点!

2025年11月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

斬新

正直に言うと、「プレデター」はもうオワコンかな?と思いながらの鑑賞だった。
ところがどっこい——これはA級の出来。完全に予想を裏切られた。

まず最初に言っておきたいのは——これは今までの「プレデター」とは違う雰囲気の作品だということ。そのため、古参ファンほど「え?」と思うかもしれない。

1987年の第1作では、アーノルド・シュワルツェネッガーと『ロッキー』のアポロ役カール・ウェザースの共演が話題になった。そして特殊部隊の要人奪還ものから一転して、SFアクションへ展開していくあの“ふり幅”に、誰もが驚かされた。

本作の監督ダン・トラクテンバーグ(44歳)は、明らかに日本映画・アニメから影響を受けていると感じた。デクが背中にティアを背負って戦う姿は『鬼滅の刃』の炭治郎と禰豆子を連想させる、デクのぶっきらぼうな言葉遣いや所作は、まさに黒澤映画の三船敏郎のよう。さらに、日活の怪獣映画『大巨獣ガッパ』のような物語も入っている。(ネタバレになるので詳細には言えない)

そして何より、世界観の完成度が圧倒的。
闘いの場となるゲンナ星の風景は、ニュージーランドの森にも、アリゾナの奇岩地帯にも、ルーマニアの湿地ドナウ・デルタにも見える。どこかで見たようで、どこにもない——そんな“未知のリアリティ”が見事であった。

そして、アクションシーンも秀逸。
プレデター(捕食者・狩人)という特性を生かし、惑星に自生する植物や鉱物を武器化やアイテムにしていく様は、『ミッション:インポッシブル』のイーサン・ハントや『007』のジェームズ・ボンド。新たなツールやガジェットが次々登場し、観ていて飽きる暇がない。
また、ティアの“上半身と下半身が分離する”設定も見事に活かされています。分かれた体を巧みに操って敵を倒すシーンは新鮮かつ爽快で、これまでのシリーズにはない創造性を感じた。

主人公デクが属する「ヤウージャ族」の言語・文化・思想まで丁寧に描き出しており、シリーズの転換期、新境地を感じる作品。
また、対エイリアンシリーズへのオマージュも劇中に登場しファンは充分に楽しめる。(それは映画で確かめて)ノンストップのSFアドベンチャーとして、映画館の大スクリーンで体感すべき一本。
以上

leo
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。