「現実と仮想が交錯する、新時代のトロン」トロン:アレス haruさんの映画レビュー(感想・評価)
現実と仮想が交錯する、新時代のトロン
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CG表現の完成度はシリーズ随一。現実世界とプログラム世界の融合が精緻に描かれ、物語に圧倒的な臨場感をもたらしている。
イヴ役のグレタ・リーの起用も光る。アジア系俳優としての新鮮な存在感と、冷静さの中に潜む人間味が、デジタルとリアルの境界を揺さぶる物語に深みを与えている。
AI兵士アレスが現実世界で“デジタルデトックス”を選択し、対照的にディリンジャー社のCEOジュリアンがデジタル化していくというラストは、象徴的かつ示唆に富む展開だ。
プログラムが「生」を求め、人間が「データ」になるという逆転構図を通して、テクノロジーと人間性の本質を問い直す。映像と脚本が高次元で融合した、シリーズの到達点と呼ぶにふさわしい一作。
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