劇場公開日 2025年10月10日

「『生』に目覚めた欠陥AIによる反乱」トロン:アレス bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 『生』に目覚めた欠陥AIによる反乱

2025年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

斬新

『トロン』と言えば1982年に、画期的なCG長編映画として公開され、その斬新な映像美に驚かされたことを、今でも覚えている。その時は、デジタルな世界へ人間が転送されて、ゲームに挑む物語だった。また、マルチバースな世界観の魁となって、その後、数多くのSF映画に影響を与えた作品とも言える。その後、2作目『トロン・レガシー』が公開され、本作は15年ぶりの新作第3弾となる。

今回は、これまでデジタルの世界に人間が赴いて、バトルを繰り広げていたが、今回はそれが逆転。デジタルなゲームの中で使用されている兵器や兵士が、こちらへ転送され、現実世界で激しいバトル・アクションを繰り広げる展開。その分、これまでは何となく、映画の中の非現実なステージとして捉えていたのが、実際の街や会社を舞台にしたアクション・シーンとなる為、映像や内容にリアリティーが高まった。また、実際にこれだけAIが、私たちの身近な生活の中に浸透してきていると、スクリーンに映し出されたシーンが、ノンフィクションとして感じてしまう。そして、こうした作品に多い2つの世界が複雑に入り込むことはなく、至ってシンプルな内容もよかった。

デジタル会社であるイヴ・キムが率いるエンコム社と、ジュリアン率いるデリンジャー社は、デジタル世界のモノを現実世界に転送させる、最先端技術の研究に勤しんでいた。しかし、現在の所、転送されてから現実社会での生存時間は29分間だけ。その時間の壁を破ろうと、両社は互いに鎬を削っていた。そんな折、エンコム社は、病死したキムの妹の開発したデーターによって、とうとう永久的な生存方法を手にする。

ジュリアンは、デリンジャー社の最強護衛プログラム・アレスを、エンコム社のサーバーに侵入させてデーターを盗み取ろうとする。そこから、データーの鍵を握るキムを追うアレスとの壮絶なバトルが展開するのだが、そこはCG最先端の作品だけあり、激しいアクションの中に美しさも兼ね備えた映像となっている。『トロン』と言えば、あのデジタル・オートバイを想起するが、特に、そのオートバイのカーチェイスは見応えあった。

この作品には、2つの相反するモノを比較するようなシーンが幾つかある。1つ目は、最先端技術を、デリンジャー社は兵器開発に、エンコム社は食料危機や世界平和の為に。2つ目とは、デジタル・オートバイから現在のポンコツ・カーやオートバイに乗り換えるシーン。3つ目としては、今回のテーマとも言える部分だと思うが、『生きること』と『命令への服従』をそれぞれに選んだ兵士等である。

主演のエリスには、『モービウス』や『スーサイド・スクワット』等のアクション映画でもお馴染みとなった、ジャレット・レトが演じた。そして、エンコム社のキムには、個人的には馴染みのなかった、韓国からの移民であるグレタ・リーが務めた。最後の流れで、次作へ繋がるオマケ・シーンもあるので、見逃さないように。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2025年10月19日

映画LOVEさん(^^)コメントありがとうございます😊これまでの流れを知らない方でも,楽しめる作品に仕上がってましたね。

bunmei21
映画LOVEさんのコメント
2025年10月18日

お早う御座います^ ^
レビューにイイネ有難う御座います☆
其々の対比も面白かったですね〜♬
他の方も言ってましたが…BGMをナインインチネイルが担当していたのも良かったです。

映画LOVE