「重低音に疲れる」トロン:アレス ばーどさんの映画レビュー(感想・評価)
重低音に疲れる
トロンの3作目。1作目は1989年、2作目は2010年、そして今作は2025年と、毎回かなりのスパンを開けて作っているシリーズ。前作とか全然覚えてないよ。っていう状態で見れるようにするぐらいの時間差だとは思うが、なんとこれが、前作、1作目を見ていないと全く理解できない内容になっている。
私はトロンは2作目を劇場で見た。その時も1作目を見ていなかったので、訳が分からなかった。シリーズを通してずっと出続けているフリンという伝説的なプログラマーのルーツを知っておかないと、全く訳が分からない。
ということで、今回この作品を見るために、初めてディズニープラスでトロンの1作目を見た。そしてこれが、(好きな人はごめんなさい)全然面白くない 。
いや、当時は最新の CG 技術ですごかったんだろうけど、今見てももうハリボテばかりで、見てても全然面白くないし、そもそも、肉体という物質的なものを、デジタルの世界に移動させるという、その物理学を完全に無視した状況があまりにもリアリティがなさすぎて、なんか冷めてしまう。
これがマトリックスのように、肉体は現実にあるけれど、脳神経とか、そういったものをデジタル世界に入り込むような設定であればまだわかるのだけれど、どうしてもこの肉体をデジタル世界に移し変えるという設定がかなり無理があって難しい。
なんとなく現代はAI が出てきて何でもありきのような感覚になっているので、今回の3作目は、なんとなくデジタル世界から物質を現代に作れるのかな〜と、無理やりに自分を納得させて見ている観がある。しかし、動植物までデジタルのものを現代に物質として置き換えることなど出来ようもないだろう。証明できるのかこれ?
ということで、トロンアレスを見る人は、少なくとも一作目は必ず見ておく必要がある。
さて、肝心のこの3作目だが、映像の迫力はさすがで、戦闘シーンやトロンの世界も、2010年の2作目と比較しても格段に良くなっている。2作目の時は青を基調とした世界観で、正直、何回も何回も見ながら眠くなった笑 暗闇の中で青白い光が光っている。その色彩感覚しか残らず、眠くなる。
今回は赤を基調としているし、基本的に現実世界が舞台なので、メリハリがあって眠くならない。戦闘シーンも大迫力である。
音楽も毎度有名なミュージシャンを使って迫力のある仕上がりになっているが、物語の状況が緩急つけようとしても、ずっと重低音が続いていて、正直くどい。もう少し静かなシーンは静かでいいのになと思うのだが、ずっと重低音がドンドンドンドン響いていて、正直うるさい。私がアラフォーだからか?落ち着いて映画を楽しむ、というより、ずっと音楽が鳴っていてうるさい印象を受けた。
ストーリー展開も、そもそも物理学的にそんなこと無理だろう、ていう感覚で見てるので、小学生が読む漫画の感覚である。そういった感覚で見る方が正しいかもしれない。あまりにも説得力がない。
映像の迫力はすごいので、それをちょっと楽しみたいな、という人はいいかもしれない。個人的にジャレット・レトは毎回大作になりそうで、微妙な作品に落ち着くものばかり出演していて、なんかそういうキャラクターになってしまった感がある。
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