劇場公開日 2025年10月10日

「AIが書いたみたいな脚本だけど、本シリーズの中で最も純粋に楽しませてくれるかもしれない、視覚と聴覚を刺激してくれる映画館体験!」トロン:アレス とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 AIが書いたみたいな脚本だけど、本シリーズの中で最も純粋に楽しませてくれるかもしれない、視覚と聴覚を刺激してくれる映画館体験!

2025年10月12日
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29分設定などワクワクする芳ばしい予感に反して、ふたを開けてみればすごく普通の内容だった。正直、本作は今の映画界にとって何も"革命"どころか、さして更新もしていない気がしたけど、本シリーズの中で本作の宣伝にあたっても必ずの言っていいほど最初に語られる1作目の"映像革命"といった映画史的価値を抜きにした際に、最も純粋に楽しめたかもしれない。
おかえりグリッド、ようこそ現実世界へ。個人的には、ターミネーターを彷彿とさせるチェイスシーンから、本作に乗ることができた!正直、本シリーズがオリジナル1作目のように時代の先を行くことはもうないのだろうと思うけど、それでも本作は思ったより楽しめた。
我は恐れない、ゆえに強い。現代のピノキオやフランケンシュタインを彷彿とさせるタイトルロール、AI兵士アレスの変化と成長物語。スタイリッシュと形容していいのかわからないけど、無機質なメカ&スーツデザインと、製作も兼ねるジャレッド・レトの演技。そこから人間味が加わっていくことで、確かに最初と最後の彼は別人に鳴っている。最近のSF作品の敵は、テック企業の若い社長と決まっているわけで、本作では『X-MEN』シリーズのクイックシルバー役でおなじみのエヴァン・ピーターズが演じている。母の言うこともろくに聞かず暴走する若社長。
IMAXの大スクリーン&迫力の大音響で体感すべき、NINのサントラ!天才トレント・レズナー&アッティカス・ロスのコンビが、初めて映画音楽を担当した本作で、彼らのインダストリアル・ロックがCG/VFX映像と調和し、この作品を彩っては体感型アトラクションのように盛り上げていた。ヨアヒム・ローニング監督の映像美と、ナイン・インチ・ネイルズによるサントラ。映画館から出たら、Give me something to believe in~♪って皆で歌おう。
エンコム✕ディリンジャー=開発の"壁"制約を破れる「永続コード」をめぐる企業間の覇権争いは、AIの兵器利用をめぐる人類の未来への戦いへとなっていく。と同時に、CPUから生まれたプログラムに過ぎず、"100%使い捨て"な主人公の非常にパーソナルかつ普遍的な話も展開される。と言っても大作らしく、どちらもそうしたテーマを深くまで掘り下げている印象は受けなかった。未知のものは案外怖くないかもしれない。そして、最後には既視感すごいありがちなラストシーンへ。
非永続コードと名付けるべきだった。やっぱり本シリーズにはこの人がいないと、行方不明フリンのお助けキャラっぷり。グリッドの再現具合含めて、近年流行りの"ナツカシベリー"案件でもある。公開後SPOT風に今年の秋は〜…トロアレ!

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とぽとぽ
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