「世界観への勉強不足、理解度の低さ」トロン:アレス ZZKKJJさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観への勉強不足、理解度の低さ
全体的に言えばトロンという作品、世界観、設定などに対して勉強不足だと言わざるを得ません。
ヨアヒム・ローニング氏はパイレーツオブカリビアン最後の海賊を監督したことで有名ですが、
はて・・・最後の海賊はどんな話だったか・・・?とインパクトの薄い作品を作る監督の印象
今作もそんな特長が出ていますね。
恐らく何年か先に思い出したらどんなのだったか思い出すので見るかもしれないレベルです。
とりあえず挿入曲、サウンドはひどい
ブザー音やサイレン音のような不快な音を使うのはやめたほうがいいです
自分はとても不快でした
前作のダフトパンクまでやれとまでは言いませんけど、もう少しマシな音を使いましょう
あと前作の続編…という立ち位置のようですが、なんともあまり前作との関係性を感じられない印象
前作のオマージュ…例えばコーヒーを落とす警備員やバイクで警官から逃れるサムの姿など
そういうシーンをちょいちょい入れて、これで前作の続きだろ感を出している
どうせビルの上からスカイダイビングでもするんだろと思いながら見てたファンは少なくないはず
本当に前作とはまったくと言っていいほどストーリーに関連性が見えなかった
なぜか?
グリッドの世界から人を現実世界に3Dプリンターのような機械で映し出すが、29分しか持たないので永続できるコードを探す…という話
前作との関係性はどこへ…?
関連性を持たせたいのならアイソーであるクオラを使って色々やるなりなんなりと方法はあったと思うけど、一切無かったのだけが残念でならない
そもそもフリン親子で経営していたエンコム社をなぜぽっと出のアジア姉妹に渡さなければならないのか
そのあたりの描写がかなり雑ですし、妹が亡くなったとかなんとか言われて、
妹の意思を継いで社長をやってるとかなんとか言われても感情移入がまったくできないし、共感することもまったくできない。
あとケヴィン・フリンの親友であったアランはどこへいったのでしょうか。
トロンと名乗る以上はアランの存在は忘れてはならないと思います。
せめて子孫なりを出して、右腕みたいな形でいてほしかった。いやいるべき。
グリッド世界のシーンがちょっとだけしかないのも残念
フリンのゲームセンターも結局現存しているのになぜそこを真っ先に調べていないのかも謎
というかなんでフリンのグリッドからパワーも無いのに出れた?裏口とか言っても電源はどっから供給してるんだ?前作本当に見たの?
戦闘シーンも少なめでカーチェイス、逃走シーンばかり。
恐らく逃走だけで1時間以上は使っててダラダラした印象が強い
トロン:逃走中にタイトルを変えたほうがいいのでは?
ディスクバトルやライトサイクルバトルもほとんど描写が無いのはとても残念
街中でそれっぽいライトサイクルバトルをやるけど周りの車が邪魔すぎる
ちゃんと1対1の何も無い空間でやってほしい
少なくとも街中でするバトルではないし、面白さや魅力、ワクワク感がまったくなかった
ディスクバトルもそう
床を破壊して逃げるシーンも前作のオマージュなのでしょうけど、
そこから飛行ユニットを使って脱出かと思えば、自分が覚えてる範囲では見たことのない初めての水上ユニットで逃走
しかもなぜか潜水モード付き
雨に濡れるって感覚は知らないのに水があるグリッドとはなにがしたいのかがよくわからない
そもそもその雨に濡れる感覚を知って感動するシーンいるのか?
前作はクオラが陽の光を見てみたいといったのを見て、雨を選択したのかもしれないのですが、正直描写が薄すぎてあまり印象が・・・こんなインパクトが薄いのなら必要ありません
最初のハッキングで侵入する戦闘シーンが恐らく今作最大の戦闘シーンじゃないでしょうか
最後の戦闘シーンは脚本製作時にとりあえず入れとけ感があって、いまいち魅力に欠ける
クライマックスならもう少し本腰入れて欲しい
サムネにもなってる兵器も終盤に出すけどあっという間に出番は終わるし、出した意味が果たしてあるのだろうか…
最後にまとめると…
全体的にトロンという世界観への勉強不足感があるため、トロンシリーズとしては赤点
トロンファンとして言うと続編とは言えません
これを見てトロン作品はこういうものなのかとは思わないでほしい
トロンシリーズではなく、それっぽい世界観の映画として見るならまぁ…いいのではないでしょうか。
そんな感想でした。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。