劇場公開日 2025年5月23日

「見たい、聴きたい、歌いタイ!」父と僕の終わらない歌 marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見たい、聴きたい、歌いタイ!

2025年5月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

僕の亡き父も「会話がなんだか少しおかしいな?!」って感じてから介護関連専門のスタッフに面談してもらったことがありました。色々な世間話の中で上手に聞き出していただきレベルは忘れましたが要介護の認定をもらったこと思い出しました。なんだか自分の肉親が壊れていきそうな不安にかられ色々悩みましたが元来の病気の方であっけないくらいに他界してしまい、アルツハイマーの患者さんを身内に持つ大変さは本当には理解できてない気がします。

今作品、『ルビーの指環』の寺尾聰さんがまさにその世代の役を演じられることに、自分自身も改めて「歳をとったんだな」なんて感じながら年相応に涙もろくなったせいか何度も眼鏡をずらしながら鑑賞しました。家族の絆や周りの人達との支えもありいいエンディングに繋がりましたが現実はもっと大変なんだろうな、なんて思いました。

僕の生涯好きな映画ランキングTOP5に入る『鎌田行進曲』で「銀ちゃん、カッコいい〜」って言いながら銀ちゃんが妊娠させた女性を精一杯支えていく『ヤス』に感動を覚えましたがその女性『小夏』こそ当時美人女優の代名詞松坂慶子さんだったことを懐かしく思い出しました。(いえ、時代の流れを感じただけで彼女がどうとか言うつもりはサラサラないので誤解のなきように!)

松坂桃李さんも最近は通りすがりの洗濯好きお兄さんになって久しいですがラスト、鼻水まで垂らしながらの泣きのシーンにはこちらまで色々なもの垂れ流してしまいそうでした。(汚いなぁ!)ディーンフジオカさんももう少し絡むのかと思いきや薄い感じで贅沢極まりない使われ方でしたよね?!

それにしても役者さんとして円熟みをますます重ねられた寺尾さんの演技は素晴らしいものでした。ザ・ベストテンで3曲同時ランクインや12週連続1位の金字塔を打ち立て寺尾聰さんの記念ソファが設けられたこともまだまだ記憶に新しいです。(年取ると40年強前も最近に思えるから不思議です!)ステージでの歌い方(というか所作?)は往年の犬かきスタイル健在でなんだか嬉しくなりました。

脇の役者さんたちもよかったですね。
佐藤栞里さん、有吉弘行さんとベアのとこしか見たことなかったですがいい味出しました。旦那さんのダニエル(副島淳さんっていうんすね、初めて知りました!)もいいアクセントです。三宅裕司さんも麻婆豆腐を世の中に広めただけでなくイカ天や音楽に関わることが多いためか哲太(寺尾聰さん)を「見たい、聴きたい、歌いタイ!」って言いそうな雰囲気でした。またスカジャンもカセットテープやラジカセもそれになんといっても『MAMIYA MUSIC STORE』のロゴが貼られた哲太の愛車(1964年式 Old mobile Dynamic 88 Fiesta Station WagonってHPに書かれてました!)なんだか昭和で懐かしいです♪

館内は僕と同世代のご夫婦がたくさんいらっしゃいましたが老若男女幅広くしみる映画だと思いました。松坂桃李さん世代の方々にも是非観ていただきたいと切に思います。

marimariパパ