「Just smile. 頬のぬくもりから伝う父からの愛」父と僕の終わらない歌 羊さんの映画レビュー(感想・評価)
Just smile. 頬のぬくもりから伝う父からの愛
ずっと公開を心待ちにしていた作品がついに解禁!夜中にチケットを取りまして無事に小泉監督と寺尾聰さんの舞台挨拶を見ることができました。色々とお話を聞かせていただき寺尾聰さんと同じ空間で同じ時間を共有できたことは僕の生涯の宝物となりました。
小泉監督と寺尾聰さんはなにも言わなくても通じ合うような何かがあったようで一緒に作品を作り上げることができてよかったとおっしゃっていました。『評判がよかったらまた作品を作れるので皆さん是非ひとつ感想などで広げてください!』とのお言葉を賜りましたので以下に記させていただきます。(とは言っても、よかった〜!とゴリ押しはしません。)
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明るいシーン満載で始まりましたが、アルツハイマーと診断されてから、だんだんと病状が悪化していくところが目に見えて分かります。それに伴って父が荒れて家がめちゃくちゃになっていくところ、お洒落だった奥さんの服装がふつうの服装になったり、傷を負ってしまったり、見ていて辛くなってしまうシーンも結構多かった…というのが本音。そのシーンの合間合間に、息子のことを想う父の姿があり、ほっとしていました。父は決まって『どこ行ってたんだ、探してたんだぞ』と、優しく言うのです。昼間は暴れて「お前は息子なんかじゃねえ!」とひどく怒っていたのに…。病気がそうさせているんだと割り切るしかない、と見ている分には冷静でいられますが、いざ自分の家族がそうなってしまったら…と考えると…。
自分のことをいつか忘れられてしまうんじゃないか、と息子はいつもいつも心配だったと思います。不安だったと思います。「もう分かんねえよ…」と混乱する父を救ってくれるあの曲は、息子にとって、いつもの父に戻してくれるお守りのような曲でもあったのでしょう。頬を包み込むやさしい父の手。スクリーンからじんわりとあたたかさが伝わってくるようでした。
父の歌がYouTubeやInstagramをとおしてどんどんと広がっていくあのシーンは嬉しかったですね。人生は幸せなことばかりではないけれど、途切れ途切れにそれは続いていくもので、辛いや悲しいを知っているからこそ「幸せ」を感じられるのです。すべての感情を大切にしてこれからも生きていきたいものです。
色々なシーンを思い浮かべながら横須賀の海辺を散歩してみたくなりました。とても素敵な街ですね。
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笑顔でいよう、心が痛くても
笑顔でいよう、心が傷ついたとしても
空の雲のように
きっと通り過ぎていくよ(乗り越えられる)
怖くても悲しくても笑顔なら
笑顔でいるならきっと明日は
太陽が昇るのが見えて
あなたのために輝くだろう
喜びの表情を浮かべて
悲しい面影は隠して
涙があふれそうになっても
そういうときこそ
なんとかこらえて笑顔でいよう
泣いたところでどうにもならないからね
そうすればきっと
人生はまだまだ捨てたもんじゃないと気づくよ
ただ笑顔でいれば
(和訳、お借りしました。)
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