「心が洗われるデトックス映画」アオショー! サミーさんの映画レビュー(感想・評価)
心が洗われるデトックス映画
東京から過疎の離島に母親と2人で移住してきた高校生と純朴な島の仲間たちとの爽やかアオハル物語。主人公はちょっと内気なフツーの男の子シッペイ。多分東京の学校で何かあって移住を決めたんだろうな、と予想されるが本当の所はわからない。もう一人の主人公である島の女の子アワノに恋して何度も不器用にアタックする姿はクスッと笑わせてくれる。5人しかいない島の高校生たちはシッペイに比べてキャラが濃い。でもみんな素朴でいい子たち。本土のライバル校の高校生たちもキザで嫌味だけど最後にはいい奴になる。基本的にいい人しか出てこない。主人公の二人を演じるRANと山川ひろみは映画初出演。仲間の高校生たちを演じる役者たちもみんな初々しく素直な演技がとてもよい。合唱がテーマの映画の割に肝心の合唱部分が少ないなと最初に観た時は思ったのだが、作品自体は気に入ってしまい2度3度と観るうちに歌の分量もこれぐらいでいいと感じるようになった。合唱が主テーマなのではなく島の高校生たちの今どき珍しいぐらいピュアな青春がテーマなのだと気づいたから。もうすぐ廃校になってしまう高校で生徒たちは合唱を通して心を通わせ、アクシデントも皆で乗り越え成長していく。合唱コンクールで彼らが7人で歌った合唱曲「君とみた海」の歌詞 "海よ海よ海よ、素直な気持ち気づかせてくれる、君とみた夏の日の思い出はいつまでも輝いてる" がストーリーとリンクしていて泣いてしまった。美しい海と美しい歌声、甘酸っぱい青春の日々、アオショーを観終わった後には汚れた心が洗われてもう一度高校生に戻りたくなる。
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