「まさかこれほど胸を締め付けられるとは」ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まさかこれほど胸を締め付けられるとは

2025年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

どうせまた失敗も躓きもポジティブな笑いにかえる恒例の”ブリジット節”が炸裂するのだろうと思っていた。だが、幕を開けた瞬間からこれほど胸を締め付けられるとは。経験と歳を重ねたブリジットが亡き人たちの思い出を抱きしめつつ、ナチュラルに人生を歩み出そうとする姿に、私は初めて彼女を特別視ではなく、共感の目で見つめられた気がする。彼女の人生に大きな影を残したであろう夫の死は決して直接的に描かれる訳ではないが、逆に描かないからこそ、より深く彼女の心象が伝わってくるかのよう。こうした匙加減が成り立つのも観客との間に築かれた信頼関係の賜物なのだろう。何よりホッとするのは、彼女が過去にすがったり未来を悲観することなく、しっかり現在を生きているところ。そしてもう一人、”あの人”の変わらない振る舞いにも大いに笑いつつ、なぜか涙が滲んだ。気づけば約四半世紀。シリーズと歩んでこれて良かったと素直に思える一作である。

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牛津厚信
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