「数々の「お約束」が楽しめるシリーズとしての安定感が嬉しい」パディントン 消えた黄金郷の秘密 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
数々の「お約束」が楽しめるシリーズとしての安定感が嬉しい
パディントンの最大の理解者であるミセス・ブラウンの配役の変更は、残念としか言いようがないが、今回は、彼女がパディントンを助けるみたいなシーンがなく、ある意味、存在感が薄いので、さほど違和感を覚えなかった。
主要な舞台も、ロンドンからペルーへと変わっているが、すべての作品がペルーのシーンから始まるという本シリーズの「お約束」のおかげで、まったくと言っていいほど唐突感はないし、バディントンがどこから来たのかに関わる話で、むしろ、必然性すら感じてしまった。
その他にも、シリーズの「お約束」が随所に散りばめられていてニヤリとさせられるのだが、大物俳優が悪役を演じるという「お約束」のせいで、いかにも善人そうなオリヴィア・コールマンやアントニオ・バンデラスが、最初から怪しく思えてしまったのは「ご愛嬌」というものだろう。
その一方で、前2作にはあった「ミッション:インポッシブル」を彷彿とさせるアクションがなかったことには物足りなさを感じないでもないが、それに代わって、「インディ・ジョーンズ(レイダース)」ばりの岩石とのチェイスが楽しめたので、これは、これで「良し」としよう。
いつもながらのドタバタ劇とナンセンスギャグも健在で、特に、「洗濯タグ」と「タランチュラ」のくだりでは、思わず吹き出してしまった。
家族の絆を感じさせる心温まるエンディングも、このシリーズの「お約束」と言ってよいだろうが、自らの故郷に留まることよりもロンドンでブラウン家の人々と暮らすことを選んだパディントンの決断には、前2作にも増して目頭が熱くなった。
エンディングのオマケ映像も楽しいが、囚人服が、ちゃんとピンク色になっているところなどは、話の一貫性が感じられて本当に嬉しくなる。
いずれにしても、これからも、末永く続いてもらいたいと思える安定のシリーズであることは間違いなく、早くも、続編が待ち遠しくなってしまった。
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