ザ・キル・ルーム

経営難の画廊オーナー（ユマ・サーマン）が殺し屋（サミュエル・L・ジャクソン）たちの
マネーロンダリングをするっていう話。
ユマ・サーマンとサミュエル・L・ジャクソンなんて
パルプフィクションを思い出しますよね
殺し屋が描く絵画が話題になって人気が出るなんて
アートの世界は素人目には変な絵でも高額で取引されるってことがある。
マネーロンダリングにはもってこいかもしれません。
終始軽い感じで作られていて気楽に観られる作品。
アートの世界のへんてこりんなところも面白い。

資金洗浄のためにアートギャラリーを使う事を思いついたギャング。
しかし仮のやり取りに使うために殺し屋が描いた絵が、ひょんな事から評判が評判を呼んでアート界を巻き込んでいく。
映画の発想は面白いけど、軽いコメディタッチの映画になってる。
まあ、気軽に観られる映画。

そういえば、潜入捜査のために始めたチキン屋が評判になってしまう『エクストリーム・ジョブ』っていう映画もあったな。

キャスティングは非常に良い、
演出面に関しては大きな疑問が残る。

サミュエル・L・ジャクソンやユマ・サーマンといった実力派俳優を揃え、
二人のコンビネーションに期待が寄せられるが、
監督の演出はその力を十分に引き出せていない。

具体的に挙げると、
セリフの部分に注目すると、
カメラワークがそれに追従しているだけで、
感情や内面的な動き、
企み、悪だくみが伝わってこない。

胸の奥や腹の底から湧き上がる感情を映し出すようなカットや演出が欠けており、
キャラクターたちの微妙な心情や揺れ動く思いを感じることができない。

セリフのやり取りをただ撮っているだけで、
俳優たちの表情や動きの間にある余韻が欠如しており、

その結果、

くせ者だらけのだましあいやドラマティックな緊張感が薄れている。

特に印象的だったのは、
サミュエル・L・ジャクソンとユマ・サーマンのふたりの芝居のシーン。

彼らの顔を横から撮るという構図が選択されているが、
これではそのキャラクターたちの内面的な葛藤や感情が表現しきれていない。

サミュエル・L・ジャクソンやユマ・サーマンは、
その演技力で観客を引き込む名手であり、
もっと顔の表情や目線を通じて腹の底を伝える瞬間を見せて欲しかった。

彼らの繊細な演技を十分に引き出せなかった点が非常に惜しい。

一方で、

シナリオ自体はかなり魅力的だ。
ザ・バッグマンが売れていく展開や、
レスリーやアニカといったキャラクターの個性がしっかりと描かれている、

特に、メイ・リーやキモノの批評家のキャラクターは非常にユニークで印象的だ。

彼女たちの存在が映画にアクセントを加えており、
ストーリーにおけるちょっとしたユーモアや風味を提供している。

しかし、これらの面白い要素やキャラクターたちのやり取りも、
演出の欠如によって十分に生かしきれていない、

ユーモアのタイミングや、
キャラクター同士の駆け引きがもっと精緻に描かれていれば、
より深く楽しめただろう。

カメラの問題というよりも演出の方法と推測できる、
プロデューサーでもあるユマ・サーマンも、
現場で確認していただろう、

ということは、
製作サイドの狙いとしてこれでOKだったということだろう。

Hey siri は笑えた。

高名な批評家が評価すれば、駄作も名作になる!?そんな痛烈な皮肉を込めたメッセージがあるかと思いきや、アートは投資の為のものでもないとリスペクトもあり。もっとスッキリする大逆転的なラストを期待したけど、全体的に緩かった。