スーパーマンのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
個人的にはマン・オブ・スティールの方が好みだった。
ヒーロー誕生から描くのではなく既にスーパーマンや他のヒーローが活躍している世界という状態から物語が始まる。
少し人間臭さが強く無敵のスーパーマンとしてはピンチばかりで終盤まで活躍している事が少ない。オーッ!と彼の強さに感心した直後にはピンチに陥っていてワンワン呼んで助けて貰えたり貰えなかったりの繰り返し。それはそれで楽しいんだけれど、圧倒的な安心感も少しは観たかった。
リチャード・ドナー版スーパーマンのテーマをアレンジした曲がたまに流れていたのは良かった。
かなり明るい作風だったけれどシリーズのトーンはコレで統一するのかな?ザック・スナイダー版は暗すぎたが、少し明るすぎる気もした。ただ子供にこそ観られるべきヒーロー物なんだから、これが正解なのかもしれない。もし製作されるのなら明るいバットマンも観てみたい気はする。
ラストのキスシーンは目茶苦茶良くて少しウルッときた。
スーパーマンは大谷翔平、レックスは佐々木朗希を重ねて観ていた。
う~ん
子供の頃クリストファーリーブのスーパーマンを見たけどだいぶ変わったよね(そりゃそう)
アベンジャーズ他のヒーローものもそうだけど、現代では単なる勧善懲悪では見るほうも満足しないからヒーローも挫折し悩む人間的な一面も入れなくてはならないし、いろんなキャラクターを登場させて飽きない工夫をしないといけないのか。
それにしてもスーパーマン弱すぎないか?
異星人の未知の力に屈するならわかるんだけど人類が作り出したものに簡単に負けてしまうのはどうなんだろ。
結局はスーパーマンも他のヒーローものと同じようにチームで戦うのがメインになってしまうのだろうか。だとすると残念。
結局一番強いのはクリプト(犬)ということでOK?笑
参考にしないで えこひいきしまくり
予告編で犬を見たときは真っ先に大谷翔平を思い出した
『フラッシュ』を見たときも『クレイブン』を見た時も映画の内容よりも世間的な関心の低さが気になった。熱狂がない。こんなものか?洋画の時代じゃないそうで。
映画の衰退なのか、ヒーローが求められてないのか
それともヒーロー像が時代とずれているのか
現実に、信じられないようなひどいことが毎日起きている。ヒーローが太刀打ちできるような問題じゃない。山火事を消したり、大地震から人々を救い出したり。せいぜいそんなところだろう。大陸を持ち上げたり、時間を逆行させるなんて、ヒーローのキャパシティを超えていると思う。かつてそんな描写もあったのだ。
今回、映画の内容はバランスがいい。なんというか、主人公が強すぎない。それどころかスーパーマンが人間宣言するくだりすらある。
残念ながら『フラッシュ』に出ていたスーパーガールはお気に入りだったのに、続投ならず。今後DCユニバースがどうなるのか知らないが、彼女は復活してほしい。
カメオ出演で、ブラッドリー・クーパー!なんと、ジョー=エル役とは嬉しい限り。ほかにも、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からのお友達出演があった。
同じように力で世界を変えようとする存在なのになぜレックスは好きになれないのか、なぜスーパーマンは愛されるのか。
それは今日のアメリカに通じる命題だ。
DC再起動?
あれっ?。
万物は流転する
ポリコレ無間地獄に陥って、「アベンジャーズ エンドゲーム」以降
パッとしないマーベルMCUに対し
DCEUからの逆転を目指し、ジェームズ・ガンにメガホンを
託した本作はいかに・・・といったところですが
個人的には非常にバランスの取れた出来だと思えます。
今後のユニバース展開を踏まえてだと思われますが
今作でのスーパーマンは、圧倒的な強さはありません。
むしろコテンパンと言っていいくらいに打ちのめされます。
敵役レックス・ルーサー(今作の真の主役と言っていいでしょう。
演じるニコラス・ホルトのスキンヘッドも相まって
Dio様感が高かったです)の周到な策略に,中盤までは成す術なしといった
感じでした。
これを救うのが、同じく捕われの身だったタコ星人(すみません、名前
覚えてません)とデイリープラネットの面々というのが良かったです。
「ガーディアンズ」でお馴染みのジェームズ・ガンの特徴である
「個人個人の不完全な部分を他のメンバーが補って、前に進んでいく」を
うまく表していました
ヘンリー・カビィル版だと「圧倒的パワーを持つ者の孤独」が
前面に出ていたので、デイリープラネットの存在は正直不要
でしたから。
作風の差と言ってしまえばそれまでですが、やはりヒーローには
明るい作風のほうが似合っているのでは、と個人的には
感じてしまいました。「ガーディアンズ」が好きな方なら
楽しめると思いますよ。
あとポストクレジットのシーンもMCUみたいに
「さあ次はこのキャラクターが出ますよ」みたいに
してなかったのも、好感が持てました。
ただ氷の要塞のセキュリティ甘すぎ問題はいかがなものかと。
Pet It Be
独立作品だと思ってたらDCUなの?
DCU自体まったく知らないせいか、あるいは原作知識がないせいか、あまり面白さを感じなかった。
字幕での設定解説から駄犬登場、“ホーム”(なんで今まで見つかってないの?)で治療ののち、ハンマーと再戦…
これ、再戦である必要ないし、先に戦闘でよくない?
そこから新聞社員としての姿が描かれるが、自分の記事を自分で書いてたり、態度もなんか鼻につく。
ロイスとの対話を見ても、純粋というより子供っぽい。
話としては、設定やら用語やらキャラやらが多くて分かりづらかった。
中盤はアクションもなく退屈だった反面、終盤はアクション一辺倒で飽きがくるというバランスの悪さ。
他にも超人がいるのに、あの状況で村人から「スーパーマン」コールが起こるのも不思議。
最後まで「正義の心があればOK」みたいな感じで、個人制裁(私刑)が行われているのもモヤる。
社会における大きな力との折り合いの付け方、といったテーマを期待していたので、残念。
本作は実写であり、更にポリティカルな題材を扱っているため、自然とリアリティラインが高くなる。
マリクが殺されてしまうという残酷さもある。
それに対する脚本全体のバランスが悪く感じてしまった。
(最後も「まだ色々大変なのにイチャついてんなよ」となったし)
スーパーマンのアクションは、エフェクトと動き回るカメラが派手なだけで、見づらくてイマイチ。
ジャスティス•ギャングの方がよほど魅力的だった。
テリフィックがキャンプで大立ち回りする場面が好きだったのに、誰だよあの変なBGM付けたヤツ…
カカロットとウルトラマン
さすがジェームズ・ガン
面白い作品です
以前のDC特有の重々しさや暗さを払拭しています
ともすれば闇落ちしそうな内容も、さぁっとすり抜け、満足して映画館をあとにできます
ただ、地球に来た目的を180°変えてしまうどんでん返しはガンが単独でやっちゃって大丈夫なんでしょうか?
て思うくらいの驚きでしたよ
あいかわらず、ドラマ観ていないとわからん人物とかも多いのは疎外感があるけど、まあ、しかたないか
もうね
世の中、ヒーローがさぁっと出てきて、敵をやっつけてはい終わりという時代ではなくなっている
それぞれの主義が対立し、宗教が対立し、それぞれに正義が存在する
だれも、解決できない状態が続いています
思うところは多々あります
自分が思い描く世界の実現にも他を駆逐しなければならない
結局、力が必要なんだなあ
映画はスッキリ終わってしまうけれど現実はそういう訳にはいかないってことです
あまり、そういう事ばかり考えていると映画が面白くなくなるからね
いい歳だし、先の世界は若い人に任せましょう
選挙は行くけどね
人を信じること
この映画の主軸となるメッセージの一つは人を信じる、ということに思う。
エイリアンで得体の知れないスーパーマンと、人民解放を謳う独裁者。
市民から見れば同じ侵略者でしかない。
でも、物事を好転させるために一歩踏み出して信じてみることが必要だ。というのがメッセージに思う。
今にして思えば最後の対峙も大勢の部下に囲まれながら誰も信じてないレックス・ルーサーと、「仲間を連れてきた」と言えたスーパーマンの対比に見えなくもない?
直近で見た映画の中では力強い良いメッセージだと思う。
良く話題になってるクリプトや、監督やこれからのユニバースについて、スーパーマン他キャラクターのスタイルや、俳優のルックス、以前のスーパーマン映画との比較については他の人が言ってるので割愛。
これからの事も期待して高めの点数とした。
追伸:ヒーローを揶揄する映画を撮ってたジェームズ・ガンが、マーベルに流れてドマイナーヒーロー映画で出世し、流れに流れてヒーローの象徴とも言えるスーパーマンの監督になるというのは成り上がった感があって少し胸が熱くなりました。
ジェームズ・ガン、最高。
「ご来場のお客様に連絡致します」
「○時〇〇分○番スクリーンで上映のアンパンマン、
○時〇〇分○番スクリーンで上映のスーパーマン、
入場出来ますのでご来場下さい」
同時刻で「マン」の上映🤣
まだジジババの多い時間。
混乱を招きかねないぞ。
「それいけ」は付けないとね☝️
その前に自動券売機での列。
まだ不慣れなジジババが
一回一回スタッフを呼んでは
「その後は?」「次は?」「なにすりゃえーの?」
あー勘弁してくれー😩
やっと自分の順番来て、
隣は不慣れなオジイさん。
「おーい、この後は?」
スタッフ呼ぶも他の客に係りきり。
仕方なく、
「ここ押して」「次ここ押して」
「現金?クレジット?ならここ押して」
と横から教える自分。
「あー、ありがと。助かった」大袈裟🤣
序でに「何観るんですか?」
オジイ「国宝」
自分「期待して良いっすよ👍」
そそくさと去る自分。
そしてスタッフに
「スーパーマンは何番?」聞く自分
あれ、オレもオジイサンか🤣
映画の話ですが、
そんなに真新しさは無いかな。
でもクリプトは愛いやつ💘
ジェームズガンらしく、
BGMのポップミュージックはノリノリで、
特に格闘シーンでそれだけ流して
効果音無しは、
「ガーディアンズ〜」と似た演出。
好きだけど、「またかよ」感は拭えない。
でも「マンオプスティール」の様な
鬱屈とした雰囲気は微少で、
終始小ネタで笑いを取る演出は、
ガン監督の次回作を期待させる👌
なんか既にチーム化してるのは、
「ガーディアンズ」と同じ流れかも😱
好きですよ😊
グリーンランタン以外もDCヒーローなのかな❓
MCU凋落の今、
DCの攻勢が始まる😤
色々とアップデートされてるけど
「ジャーナリスト=正義」というところだけは古いまま。
んな訳ねーだろ。
ニュースで監督「怪獣」リスペクトーとか書かれてたけど、
本編では「KAIJU」とも呼ばれず。なんじゃいそれ。
「ウルトラマン」は出てきたね。
最初から終わりまでちゃんとIMAXピッチピチの大画面で
迫力もあるし、夏休み映画っぽいのですけど、
2日経過した今、もうほとんど何も残ってません。
碇シンジがスーパーマンになったらこんな感じなのかな、な一本でした。
王道と外しの絶妙なバランスに酔いしれる
すぐ手のひら返しする人間ども!
って言いたくなるくらいには人間にイライラしたし、スーパーマン可哀想...ってなった。
ワンちゃん可愛いのと、あの頭脳派ミスターテリフィックは素敵でした。
育ての親があったかくて微笑ましいんだけど、
なんだろう、パパの言葉にはすごくジーンときたのにスーパーマンからはいまいち感情が感じられなかったなぁ。
まさか彼も大根...?いやいや、そんなことはない、素敵なスーパーマン。
ただなんだろう、普通に面白いをこえない、及第点であり、期待を大幅に上回るものではない。
やはりバットマン 特にダークナイトをこえるヒーローものはもうでてこないのだろうか。
追伸
次回作主人公スーパーガール、でてきたね!
あんまり観たいとはならなかったが。
HERO
DC再始動の狼煙を上げるのはジェームズ・ガン。
リアルタイムでスーパーマンの映画を観るのは初めてなのでその辺も楽しみにしていました。
これぞヒーロー映画、予習なしでも全然いける、こんなヒーロー映画を待っていたんだという期待に応えてくれる作品でした。
人間ドラマあり、アクションあり、強いメッセージもありと盛りだくさんでした。
今作のスーパーマンは強くありながら、負け姿も結構映るという、寄り身近なヒーローになっていたのが印象的でした。
序盤から敗北で始まり、うだつの上がらない日々を過ごしている感じですし、スーパーマンがSNSで叩かれるというのも現代らしくて心苦しいもんです。
今作のヴィランは超知能派なスキンヘッドで、ブラックホール的なものを生み出すわ、その環境下に牢獄を作るわ、スーパーマン対策を完璧に行うわの大暴れっぷりは武力では対抗できないイカつさがあり、権力だけで戦うヴィランとは違うダーティーさがありました。
胸糞なスキンヘッドですが、立ち振る舞いや言動が一貫しているから不快ではないですし、ヒーローを封じ込めるためには手段を厭わない感じも良かったと思います。
スーパーマンの育ての親とのパートはとても胸熱で、父親との会話なんかは優しく包み込んでくれるガン監督の暖かさがあったなと思いました。
スーパーマン復活!となってからの勢いは凄まじいものがありました。
バンバン飛び交ってくれるし、危険な状況だろうと迷わず飛び込んでいく姿がカッコいいですし、時々小ボケも挟んでくれたりとでフフッとなるのもにくいヒーローで最高でした。
ウルトラマン達がやってきてからの2vs1の構図で絶望を味わったのに、宇宙空間からのフリーフォールとかいうド派手すぎる絵にスーパーマンの耐久力の噛み合わせの良さに震えました。
アクションシーンもド派手で楽しいです。
スローな演出は抑えられており、ハイスピードでカメラワークもぐわんぐわん回しながらのハイテンションでお送りしてくれますし、クリプトが参戦してからのドタバタ感もこれまた最高です。
ガン監督はよく観客をスクリーンに登場させてくれるので、今作でもスーパーマン!と呼びかける人々たちは観客を投影した感じで嬉しかったです。
あの場にいたらスーパーマンに助けを求めたくなりますし、それに応えるようにやってくるグリーン・ランタンがイケすぎていて興奮しました。
ホークガールも雄叫びを上げながら駆け回っていましたし、ミスター・テリフィックなんか縁の下の力持ちすぎて惚れました。
スタイリッシュなのにツッコミもできるテリフィックすげぇ。
あと相変わらず触手がお好きなのも一興。
エンドロール後にもフフッとさせてくれるのもとても良きですし、スーパーマンとテリフィックの良さが詰まっていて面白かったです。
単独でしっかりと完結させてくれて感謝しかないです。
スーパーマンも、スーパーマンを助けてくれた人々も皆ヒーロー、この爽やかさたまらないです。
これからのDCのユニバースも楽しみですし、最高の開幕を切ってくれたなと思いました。
鑑賞日 7/11
鑑賞時間 17:55〜20:20
このスーパーマンも嫌いじゃない
2025年劇場鑑賞205本目。
エンドロール後映像有り。
自分は主人公がめちゃくちゃ強くて、悪党が敵にまわした事を心の底から後悔するのが一番好きな映画なので、ジャスティス・リーグ版のヘンリー・カヴィル演じるスーパーマンが好きです。全てのDCヒーローの一番得意な所を全部上回っているめちゃくちゃぶりが最高でした。
そんな中、ザ・フラッシュで1回シネマティックユニバースを終わりにして、今回からまた新しくDCコミックのシネマティックユニバースを始めるとのこと。今回のスーパーマンは負けることもあるということで、バットマンに比べて人気がないのは負けるかもしれないという隙がないからだとジェームズ・ガン監督が話していました。
ということであまり期待せずに観て、正直思った以上に苦戦しまくるスーパーマンや、登場人物みんなに思われているバカ犬にイライラする時もありましたが、最後にスーパーマンがレックス・ルーサーに語る話で今回のスーパーマンは弱くないといけなかったんだと納得しました。
それにしてもクリプトはひどい・・・。
オトナになったジェームズ・ガン
旧シリーズのスーパーマン像に慣れ親しんだ観客と、
ジェームズ・ガンの個性的な作風に惹かれる観客の間で、
作品への期待値は大きくかつどんな物語になるのか、
期待度は高かったのは事実だろう。
ジーン・ハックマン演じるレックス・ルーサー、
マーロン・ブランドの実父、
グレン・フォード継父、
地球にたどり着くまでの約1時間、
牧歌的なドラマの世界観を、
じっくりと堪能したいと願う観客にとって、
違和感はあるだろうし、
一方で、
ガン監督特有の躊躇なく「サクサクザクザク」とどんどん進むテンポと、炎上も辞さないブラックユーモアを期待していた観客は、
その品行方正な抑制ぶりに驚くことだろう。
あるいは更に若い観客に向けて、
共通前提の説明を大胆に省き、
いきなり「転生したら地球だった」とか、
薬屋はクリプトナイトを処方してくれるのかとばかりに、
いきなり物語に飛び込む姿勢は、ある意味で潔い。
今作のジェームズ・ガンは、「大人になった」。
極悪党たちを縦横無尽に暴れさせ、
オトナ限定のユーモアを炸裂させる手腕は、
今作では随分と控えめだ。
その裏には、リチャード・ドナー版や、
ジョン・ウィリアムズの音楽への深いリスペクトが垣間見える。
随所に散りばめられたアレンジやグラフィックは、
オールドファンへのメタ的なメンションとしても機能している。
プロデューサー、そして一社会人としての「ちゃんとしてます感」が、
監督としてのガンの持つ愉しさを半減させているように感じるのは否めない。
しかし、これはDCEU全体の再構築を担う彼にとって、
避けられない選択だったのかもしれない。
その証拠に、新たな布石としてのヴィジョンは確かに存在する。
グリーンランタンやミスター・テリフィックといった個性的なキャラクターをキャスティングし、
まるでルーザーのようなウォッチメンのように彼らを物語に溶け込ませる手腕はさすがだ。
彼らを現代社会が抱える分断、私的制裁、排外主義といったテーマへのシナリオと、
巧みにチューニングしてスーパーヒーロー映画の枠を超えた社会的なメッセージをしっかりと打ち出している。
スーパーマンが「異星人」として、
不信の目を向けられる描写は、
まさに現代社会における移民問題のメタファーとも読み取れるだろう。
移民もエイリアンも極悪党も、
困ってる人たちの前では協力する、
知らんぷりができないルーザーたち。
本作は、古き良きスーパーマンへの【メタ的な意味での】の目くばせを忘れずに、
現代的な課題にも切り込む意欲作といえるだろう。
今の時代に求められる独特の「希望」の物語として、
私たちに語りかけてくる。
独特の希望。
現在のMCUとDCEUは、
かつての成功体験から脱却し、
新たな方向性を模索しているように見える。
「欧米が【浮世絵】に気づき、【忍者】に魅せられ、
【アニメ】を知り、
そして【演歌】というルーザーの悲哀の領域に入ってきている」
「敗者の物語」、
つまりは悲哀や挫折といった人間の深い感情に根ざした表現へと傾倒している状況、方向を模索しているのではないだろうか。
これまでのアメコミ映画は、
強大な力を持つヒーローが悪を打ち倒し、
勝利を収めるという構図が主流だった。
しかし、
観客はもはや単なる勝利の連鎖だけでは満足しなくなってきている。
完璧なヒーローよりも、悩み、苦しみ、
失敗を経験しながらも立ち上がろうとするキャラクターにこそ、共感し、
感情移入するのではないだろうか。
例えば、DCEUでは『ジョーカー』が大ヒットを記録した。
社会から疎外され、自己の存在意義を見失った男が、
最終的に「悪」へと堕ちていく過程を描いている。
MCUにおいても、『サンダーボルツ』改め『ニューアべンジャーズ』
でもヒーローたちの内面的な葛藤や弱さが深く掘り下げられ、
新たなファン層を獲得しようとしている。
古今東西の物語を紐解くと、
普遍的なテーマとして「敗者の物語」が繰り返し描かれてきた。
ギリシャ悲劇から日本の古典文学、
そして現代のドラマや映画に至るまで、
挫折や喪失、そしてそこからの再起や、
あるいは救いのない結末を描くことで、
人間存在の深淵に迫ろうとしてきた作品は多い。
MCUやDCEUがこの「敗者の物語」へとシフトしているのは、
単なるトレンドではなく、エンターテインメントビジネスの根幹に立ち返ろうとする動きなのかもしれない。
なぜなら、敗者の物語は、
観客に強い感情的な共鳴と深い考察を促すからだ。
共感は物語への没入感を高め、考察は作品の奥行きを広げ、
長期的なファンを生み出す土壌となる。
問題は、この「敗者の物語」、
つまり、
暗くてつまらない(日本映画のような)とさんざん言われてきた物語が、
これまでの「勝者の物語」のように大量動員が可能なビジネスモデルとなり得るかという点だ。
今後、MCUやDCEUは、単に「敗者の物語」を描くだけでなく、
それをいかに普遍的なテーマとして昇華させ、
多様な観客に訴えかけるかが問われるだろう。
ヒーローの脆弱性、社会の不条理、
人間の心の闇といったテーマを、エンターテインメントとして昇華させることで、商業的な成功と芸術的な評価の両立が可能になるのかどうか、
オトナ帝国の逆襲が可能かどうか、
You Talkin' to Me?のYouとは誰、何なのか、
ジェームズ・ガンのビジョンと手腕にかかっていると言っても過言ではないのかもしれない。
知らんけど。
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