「アンチヒーロー」スーパーマン 赤ヒゲさんの映画レビュー(感想・評価)
アンチヒーロー
個人的には特に「スーパーマン」への思い入れはないのですが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのジェームズ・ガン監督ならばと思って観ました。その世界観は、期待どおりものでした!予告編に民衆から裏切り者と見なされ、沈痛な面持ちのスーパーマン(デイビッド・コレンスウェット)が描かれていますが、アンチヒーローたちが活躍する「ガーディアンズ…」に通じる偏見や差別に対する葛藤や苦難の先に訪れるカタルシスに酔いしれました。冒頭から大活躍するクリプトは、ジェームズ・ガン監督の飼い犬オズ(小津安二郎から命名)がモデルらしいですが、犬への愛に溢れていて共感します。「ガーディアンズ…」に登場するアライグマ・ロケットの造形からも動物好きなのかなと思ってましたが、今作のクリプトの活躍も見所の1つでした。倒壊するビルの下敷きになりそうなリスを救うシーンも感動的でした(涙)。完璧ではないヒーローが数々の試練を乗り越えて「善」を貫こうとする姿が、今、世界が求めている等身大のヒーロー像なのかもしれないとも感じました。様々なフェイク・ニュースによって容易にコントロールされてしまう大人たちの中で、スーパーマンの旗を掲げるのが小さな子供というシーンもとても印象的でした。ご両親の癒やしの映像の対比もにくい演出で好きなシーンです。随所に色々な仕掛けがあって、風刺も効いていて、見応えたっぷりの作品でした。
初代スーパーマン、昔過ぎて私も正直思い入れがそこまで…😅。
クリストファーリーブは息子さんが3才の時に全身麻痺になったそうで、相当ご家族は苦労されたことでしょうね。そういうエピソードごと、胸が熱くなります😢