劇場公開日 2025年7月11日

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「予告編の期待を裏切らない出来で、メッセージ性も含め娯楽部分も抜かりない近年最高最良のヒーロー映画」スーパーマン ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 予告編の期待を裏切らない出来で、メッセージ性も含め娯楽部分も抜かりない近年最高最良のヒーロー映画

2025年7月13日
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鑑賞方法:映画館

誰もが知っているアメリカを代表する正統派ヒーローなので、王道にクセ球を忍ばせるジェームズ・ガン監督の手腕に期待したが、らしさを残して直球のメッセージのせた娯楽映画として満足度が高い!いやガンの作品で一番好き作品になりそう😊

正直、賞賛されているガン監督のマーベル作品『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』やDC作品の『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』も面白いが、毒や癖の強さにノレなかったので、このくらいのテイストが良い。

冒頭から経緯や説明は簡単な字幕にして、スーパーマンが初戦敗退からの復活再戦で敵側の説明も兼ねており恐ろしく親切で澱みなく展開して、クラーク正体ととルイスの関係も皆さんコレも説明なくても分かっているだろ!とばかりに進める部分は巧みで、ルーサーの悪魔的な企みに踠くスーパーマン絶体絶命の危機からの逆転と後半のカタルシスの展開も、人との信頼や理性で勝つ!のがいい。

この辺はこの前に見た『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』も同じですが、ガン監督はもっと直に現代のアメリカ始めとする排外主義の権力者とそれを支援するITテックミリオネアへの批判をしてるのが凄い(早くこの理不尽時代が終わって欲しい)

故郷の星を失い地球の移民の国アメリカに来た(どちらかといえば難民に近い)境遇のスーパーマンが、強調された作品で、今回の生みの親の設定に捻りを加えながらも、善良な育ての親からの影響で、能力者として正しき責任を懐くヒーローの姿が、排外主義と横行する今の希望の光としても見れる。

無論ガン監督お得意のポップソングを絡めたアクションや動物キャラを無理人間臭くしないで、犬は犬な描写(SNS書き込み猿もシニカルでブラック)などのエモに過剰過ぎない部分も良いし、新しいスーパーマン役のデビッド・コレンスウェットやルイス役のレイチェル・ブロズナハンと宿敵レックス・ルーサーのニコラス・ホルトもハマり役

DCヒーロー達の活躍や最後にあの人が登場したり、スタッフのクレジットロール後の落ちなども奮っていて続編も出来れば期待したい。
ロイス・レーンと新聞社スタッフの描写も理にかなっており、ちゃんと見せ場があるのも納得出来る。

スーパーマンの映像化もリチャード・ドナー監督の原点にして頂点の決定版『スーパーマン』(1978)とクリストファー・リーブ作品と比較すると大人の童話的な面は薄れて、作品としては楽しめるが単発で終わってしまった『スーパーマン リターンズ』(2006年)やノーランとザック・スナイダーがリブートして根強い人気のある『マン・オブ・スティール』(2014年)とその流れの作品も捨て難いが、どこか暗く重いスーパーマンにのれなかったので、シニカルとユーモアがある本作は非常に嬉しい。(個人的には『スーパーマンIII電子の要塞』あたりが最高だが、MCUの『アベンジャーズ』で手腕を振るったジョス・ウェドン監督がまとめた『ジャスティス・リーグ』(スナイダー版は未見)やかなり賛否ある『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』も嫌いではない。

気になる点は、予告編でも印象的だった屋台の青年が割とあっさりと殺されてしまうのは残念で、倒れたスーパーマンに率先して手を貸すシーンが、予告編で入っている事で、今回の作品メッセージ方向性が判る印象的な人物だったのでもう少し交流があってもとは思う。

結論は今日的な問題定義を扱いながら、ほどよいユーモアと迫力のアクションを上手くブレンドして一級の娯楽にしている手腕も見事でガン監督作品の中で今回が一番好きかな😊(ベタや泣かしも過剰過ぎず良い塩梅)

良識ある映画ファンは元より多くの人に見て何かを感じて欲しい良作で必見!

ミラーズ
ミラーズさんのコメント
2025年7月14日

コメントありがとうございます。

感動のカツアゲみたいな過剰演出だと興醒めになる可能性もありますから

ミラーズ
ゆっきさんのコメント
2025年7月14日

(ベタや泣かしも過剰過ぎず良い塩梅)



そうでしたねぇ、
過剰過ぎない、ほんと塩梅が
「ちょうどええ」と思いました。

ゆっき
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