劇場公開日 2025年7月11日

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「〝おふざけ半分〟に騙されてはいけない」スーパーマン グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 〝おふざけ半分〟に騙されてはいけない

2025年7月12日
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鑑賞方法:映画館

予告編からの印象では、『ダークナイト』のように〝正義〟についてシリアスに考えさせられる映画だと思っていたのですが、大らかな笑いを予想外に挟んでくるので、拍子抜けといってもいいくらい気楽に楽しめる映画でした。

ところが、よくよく振り返ってみると、いま世界で起きてることをそのまま暴き出して、我々人類は本当に「ホモ・サピエンス(ラテン語で「賢い人」)」と名乗っていいのだろうか、ということを痛烈に描き出している。
①二度の世界大戦や米ソ冷戦の時代を経て、もう大きな戦争は起こらず、世界中が経済で繋がる平和な時代がきた、と思っていたら、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルの軍事作戦が起きるし、中国の台湾侵攻だっていつおきてもおかしくないほど今の世界は不安定。
②格差や差別、その他解決できない現実的な問題はたくさんあるけれど、「自由と平等」を求めることでは人類はほぼまとまってくれる、と思っていたのに、強権的で全体主義的な政治体制の国が増えている。アメリカですら、〝そちら〟側に傾きつつある。
③真実かどうかなどとは関係なく、無責任に人を貶めることで、自分のイライラを解消したり、快感中枢を満足させる人が無限に増殖中。
④ルーサーはGAFAMの創業者やイーロン・マスクをデフォルメ(かなり悪影響のほうを誇張してはいるが)。
ルーサーの会社。もしかしたら空飛ぶ本社だから、或いは本社は異次元にあるから、とかいう理屈で税金払ってないかもしれませんね。

歴史に学び、「過ちは繰り返しませぬから」と歯止めを掛けられる人は、世界にはもうスーパーマンしかいない、という絶望の映画になりませぬように。

グレシャムの法則
みかずきさんのコメント
2025年9月17日

みかずきです

本作、スーパーマンの人間愛と優しさが際立っていました。
監督が反トランプ派なので、公開前にスーパーマンは移民だと発言してみたり、作品ではトランプ大統領の自国第一主義に対抗して人間愛を強調して、観客に自国愛より人間愛とアピールした感がありました。
ラストの濃厚なラブシーンで、恋愛がやがて人類愛に昇華していくという大学時代の恩師の言葉を思い出しました。

8月以降は、Windows10PCからWindows11PCへの移行、
現在は価格.comから映画.comIDへのアカウントの引継ぎに苦戦しています。パスワード文字種類の規格が違うので引継ぎは厳しそうですが、天邪鬼な私としては妙案を考え中です。多分、アカウント変更になるので、過去レビューなどは引き継がれず、ゼロスタートになりそうです。
その節はご迷惑をお掛けすると思いますがご容赦下さい。

では、また共感作で。

みかずき
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