劇場公開日 2025年7月11日

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「映画レビュー『スーパーヒーロー』」スーパーマン 林文臣さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画レビュー『スーパーヒーロー』

2025年7月12日
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スーパーヒーロー――この言葉を聞くと、強く、正しく、華やかで、誰かを救う存在を思い浮かべる。しかしこの映画『スーパーヒーロー』は、その裏にある「覚悟」と「孤独」、そして「人としての弱さ」を静かに、しかし鋭く描いている。

物語の主人公・橘は、かつて街を救ったヒーローだったが、今は身元も明かさず、怪しい裏路地のリサイクル工場で働いている。なぜ人知れず消えたのか。なぜ再びマスクをかぶることを拒むのか。その理由が明かされていく過程に、私は経営者として、組織のリーダーとしての自分を重ねざるを得なかった。

ヒーローも経営者も、人に見せる“表”の顔と、葛藤に揺れる“裏”の顔を持つ。華やかな成功の陰で、誰にも言えない不安や恐怖を抱えている。橘がかつて仲間に裏切られ、社会にバッシングされ、ヒーローを辞めた理由には、「結果だけを求める社会」の怖さがにじむ。その姿は、短期的な売上や成果を追い続け、自分の理念を失いそうになった過去の自分と重なった。

とくに印象的だったのは、橘が再び立ち上がる場面。市民たちに「まだ助けてほしい」と懇願されたとき、彼は「信じてくれる人がいる限り、自分を怪しいまま終わらせない」と呟く。このセリフは、私の中で今も響き続けている。

信頼は時間をかけて築くものだ。そして、どれだけ誤解されようと、自分が掲げた理念を貫く勇気こそが、真のリーダーシップマルチなのだと気づかされた。ヒーローの正体は超人ではない。理不尽と戦いながらも立ち上がる「ふつうの人間」である。これは、経営という戦場で闘うすべてのビジネスパーソンへの応援歌だ。

『スーパーヒーロー』——これはただのアクション映画ではない。
「あなたは、何のために闘うのか?」そう問いかける、覚悟の物語だ。

林文臣
おおとりさんのコメント
2025年7月12日

ヒーローものを手掛けてきた監督がスーバーマンにて出しただけに思えた

おおとり
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