劇場公開日 2025年7月11日

「「新しいスーパーマン」として好意的に受け入れられる印象」スーパーマン TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「新しいスーパーマン」として好意的に受け入れられる印象

2025年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

観たい作品が多すぎて渋滞を起こしていた6月が過ぎ、7月は一転して(私にとって)魅力に欠けるラインナップ。ただ、今月は誕生月でもあるため、会員特典で発行されたバースデイクーポンをどうにか使う作品はないかと「謎の貧乏性(割引率が高いだけで無料になるわけではない)」が発動した結果、興味が湧かずに劇場鑑賞候補から外していたはずの本作を強引にフックアップ。公開初日に109シネマズ木場にて鑑賞です。
アメコミスーパーヒーローの元祖であるスーパーマン。私もリチャード・ドナー監督『スーパーマン(78)』以降、映画作品については一通り鑑賞していますが、コミックやTVシリーズまでは手を出しておらず理解に乏しいことを自覚しています。その為、普段は出来る限り避ける「前情報」ですが、今回は先日ラジオ番組で特集された光岡 三ツ子さん(日本のアメコミライター、翻訳家)の解説を聴いた上で本日の鑑賞に至りました。
まずは作品全体の印象として、兎に角展開が早い。冒頭、数カットを使って物語の世界観を文字情報だけで伝えられ、すぐに現れる本作の主役・スーパーマン(デビッド・コレンスウェット)はいきなりのピンチ。そこから、特に説明もなくキャラクターが次々と登場し、その状況を見ながら敵か味方か、或いは一般人なのかを判断しながら、終始押され気味のスーパーマンを歯を食いしばって観続けます。そして、本作特に重視されていることがこれでもかと伝わる「人助け」シーンが連発。何なら、味方による「雑な戦い方」で起こる二次災害さえもフォローしまくるスーパーマンは大変に忙しいですが、それこそが彼がヒーローとして存在する意義であり、本作における重要なテーマ。ところが、やる事なす事が注目の的であるスーパーマンは、それを逆手に利用するレックス・ルーサー(ニコラス・ホルト)の策略により評価が賛から非へ急降下。彼を取り巻く形勢は悪くなる一方で、せめて自分を理解してもらいたい同僚で恋人であるロイス・レイン(レイチェル・ブロズナハン)との仲もギクシャクしてしまいます。
と、ここまで書いて「ネタバレ大丈夫か?」と心配されるかもしれませんが、まだまだ序盤の展開をざっくり説明しているだけ。むしろその情報量の多さは、少しでも気を抜くと置いて行かれそうになるほどです。ところが、物語の中で扱われている「問題」や「議論」は私たちの生きる世界と何ら変わらず、まるですぐ近くに存在している「並行世界」ようで、思わずゾッとするほど想像に難くありません。いやはや、これだけのテーマと内容を129分に収めたジェームズ・ガンの構成力にはただただ脱帽。作品の質としては大変に高いと思います。
ただ、、ファンの方ごめんなさい。。やっぱり私、アメコミヒーロー作品に対する熱はかなり低温まで下がってしまっているようで、作品に対して「興奮」や「感動」までは至れませんでした。何せ、レックス・ルーサーの執拗なまでの執念が凄すぎてストレスフルな時間が長い一方、それを解消できるほどのカタルシスを得られないため全体としてはややフラストレーション(ニコラス・ホルト凄すぎです)。
とは言え、終盤におけるスーパーマンのスピーチは良かったし、「新しいスーパーマン」として、そのキャラクターは好意的に受け入れられる印象。その為、今度のシリーズ化を考えればリブート一作目として「バランスの取れた作品」となるのじゃないかなと思います。既に発表されている次作『(従妹)』も劇場で観ようかな、と考え直すくらいは楽しめました。クーポン利用で千円OFFのためこう言っては何ですが、、観て損はなかったです。

TWDera
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