「エンドロールの歌はサスカッチ語バージョンもあるよ」サスカッチ・サンセット 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロールの歌はサスカッチ語バージョンもあるよ
クリックして本文を読む
謎のイキモノ4頭が森の奥深くをさまよう生態が淡々と描かれて、一体何を見せられているのかと戸惑うばかりだが、しだいに彼らサスカッチが人間と自然をつなぐオーパーツではないかと思えてくる。サスカッチより進化してしまった人間なんて、マジで地球に対して害悪でしかないのではないか。命が生まれて生きて死んでいくサイクルとは、まあ大雑把にこの映画に描かれているようなものではないか。そしてもはやそれは失われてしまったのだと突きつけるラストは宮﨑駿の『もののけ姫』にも通じているのではないか、みたいにどこまでも話の風呂敷を広げていけるだけの奥行きと、それすらもバカげて思えてくるユーモアが同居している。
最初は全然4頭が見分けられなかったので二度目を観てみたのだが、今度はいかに繊細にそれぞれのキャラが演じ分けられ、描き分けられているのかがわかり、最初に思った以上に考え込まれたストーリーであることも判明した。しかし、最後の歌を主演のライリー・キーオに歌わせるだけでなく、サスカッチ語で歌うバージョンも録音したけどやっぱり使えなかったという話が実に可笑しく、ネットにサスカッチ語バージョンもアップされたので聴いてみてほしい。ほんと使えないって思うから。
あとこの監督たち、U-NEXTで観られる怪作ドラマ『ザ・カース』にも参加していたのね。ドラマの舵取りをしたベニー・サフディ、ネイサン・フィールダー、エマ・ストーンの御三方、実に的確な人選だと思いますよ!
コメントする