「もっとふざけた明るい映画かと思ったら、真面目で悲しくなる映画だった。」サスカッチ・サンセット ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
もっとふざけた明るい映画かと思ったら、真面目で悲しくなる映画だった。
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情報一切なしでの印象から、社会風刺が効いたブラックコメディかと思っていたら、「サスカッチ・サンセット」は、その名の通り最後のサスカッチの黄昏の物語。
深い森林で仲間を探しながら移動するサスカッチ一族4人の生活を、四季を通して描く。
春夏では食事や性交など滑稽な場面から、大自然の中の危険でシリアスな場面に移っていく。
秋冬では、人間がいた「形跡」と接触し始める。
これまでUMA(未確認生物)を描く場合は、人間からの視点ばかりだったのに対し、本作では、UMA側から描いているのがミソ。
こちら側から観ても、ごくまれに目撃するだけ出るのと同様に、向こうから観てもすぐに直接接触出来たりはしない。
予備知識シャットアウトで観ていたので、てっきり大昔の話と勝手に思っていたら、中盤で現代であることが判明。
(ここで、とあるシャマランの映画を思い出す。)
いつ見つかってしまうのではないかと、ハラハラして観ていた。
そして最後、彼らは呆然とする。
とても悲しいラストは想定外。
排せつや性交など、人から見ると露骨な表現はあっても、動物の生態だと思えば普通のこと。
もっとふざけた明るい映画かと思ったら、真面目で悲しくなる映画だった。
彼らはその後、広大で深遠な山奥に戻って、数少ない仲間に出会って幸せに暮らしてほしい。
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