「真面目にふざけてる」サスカッチ・サンセット 自分BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
真面目にふざけてる
雄大な自然の中で暮らす毛むくじゃらの生物・サスカッチ(ビッグフット)の冒険を、圧倒的映像美と幻想的な音楽によりドキュメンタリータッチで描いた異色作。(公式より)
なんとか、頭を捻って説明文を絞り出したな公式の人。
間違ってはない、間違ってはいないが!
とにかくこの、サスカッチ・サンセット。監督と、オス・サスカッチ役のジェシー・アイゼンバーグとメス・サスカッチ役のライリー・キーオはノリノリで楽しんで撮影していたに違いない。
ウホウホ言いながら「交尾をする」「マーキングでシッコとウンチをぶり撒く」「股間を掻いた指をすんすん嗅ぐ」描写が必要以上に執拗でお下品。
野生の自然な営みと見せかけて、よく考えたら誰もサスカッチの生態なんて知らないんだから、ここぞとばかりに悪ノリで演じてるでしょこれ。
こんな演技は「サスカッチ・サンセット」以外の現場で披露しようが無い。
サスカッチの中身が「ソーシャル・ネットワーク」のザッカーバーグと「怒りのデスロード」のワイブスだと考えたら頭がクラクラしましたよ。
オス・サスカッチの亡くなり方も最低で最高!
メス・サスカッチから交尾を拒否され、怒って巣を破壊したら子供サスカッチ達からも「出てけ!ダメ親父」とばかりに逆襲され、ふてくされて森に出奔。
森でキノコを食べてラリって肉食獣に交尾を迫り、逆に食べられてしまうという、「どこが、自然の厳しさやねん!」と吹き出してしまいました。
映像自体は美しいのに内容のギャップ。これは監督が真面目にふざけている。決して半笑いで作った作品ではないのが伺えて好感は持てます。
「いったい、自分は何を観せらていたんだ…」と呆然とする観賞後感。異色作としか言いようがない。