「メスのサスカッチの中の人のプロ根性に脱帽」サスカッチ・サンセット Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
メスのサスカッチの中の人のプロ根性に脱帽
2025.5.27 言語なし MOVIX京都
2024年のアメリカ映画(88分、G)
北アメリカを舞台に4匹のサスカッチの1年間を追いかけたドキュメンタリー風ムービー
監督はデビッド・ゼルナー&ネイサン・ゼルナー
脚本はデビッド・ゼルナー
原題の『Sasquatch Sunset』は「サスカッチの黄昏」という意味で、サスカッチは「北米に生息したとされている神話上の生き物」のこと
物語の舞台は、北アメリカのとある原生林が生い茂る森の中、そこには4匹のサスカッチが生息していた
群れのリーダーである老いたサスカッチ(ネイサン・ゼルナー)は好奇心旺盛で、群れのために新しい木の実などの毒見をしていた
オスのサスカッチ(ジェシー・アイゼンバーグ)とメスのサスカッチ(ライリー・キーオ)は夫婦のようで、子どものサスカッチ(クリストフ・ゼイジャック=デネク)は2匹の子どものようだった
彼らはその辺にあるシダを食べたり、木の実を食べたりして過ごし、時には川に行って水を飲んだり、魚や貝を獲って食べていた
物語は4幕構成で、「SPRING」「SUMMER」「FALL」「WINTER」という四季を順に追っていく
「SPRING」では、盛りのシーズンのため、オスとメスのサスカッチは交尾をするのだが、その後、メスの妊娠が発覚して邪険に扱われる様子が描かれていく
「SUMMER」になると、メスのお腹は大きくなり、老いたサスカッチは、危ない木の実に手を出したりしてしまう
さらに幻覚作用のある木の実を食べてハイになり、メスのサスカッチに求愛をして拒否られたりもしていた
その後はちょっとネタバレになるので控えるが、木の実を食べてどこかに消えた老いたサスカッチは、肉食獣の巣穴にちょっかいを出して「あれま」という展開になっていく
秋を迎えるまでにベイビー・サスカッチは生まれるのだが、子どもを育てているうちに一家を悲劇が襲ってしまう
それからも懸命に生きるサスカッチたちは冬を越し、そして春になって「あるもの」を見つけてしまうのである
映画は、最後のオチが秀逸で、そこには「Willow Creek-China Flat Musem:BIGFOOT Collection」と書かれていた
いわゆる「ビッグフット(=サスカッチのこと)の自然博物館」というもので、彼らはその中で保護されていた野生動物だった、というオチになっている
Willow Creekはおそらく人名か地名で、Chinaは意味深な設定に思える
もしかしたら、中国資本がその原生林に入って、そこに幻の野生動物を見つけたという設定に思える
そこからは、その博物館を作ろうとしていた途中で頓挫したのか、営業していたが何らかの理由で閉鎖されたのかのどちらかだと思う
おそらくは、キャンプをしていた人たちの残骸が真新しいがラジカセは古いという感じになっていて、あのラジカセから流れた曲はErasureの「LOVE TO HATE YOU」だった
この楽曲は1991年にリリースされた楽曲なので、リアルタイムだとしたら、その頃に作られたテーマパークのようなものだったのかも知れません
いずれにせよ、ネイチャー系を眺める人向けの作品で、寝ようと思えば寝られる作品だと思う
物語性は皆無だが、起こるべくして起こるイベントはきちんと起こるので、飽きずに観ることはできると思う
ざっくりと自然の摂理がサクッと描かれるのだが、木の実ハイと丸太の下敷きは情けないと思ってしまう
ベイビーの顛末はホッとしたけど、それぐらい自然は過酷だとも言える
個人的には飽きずに観られたが、率直な感想は「演者さん大変だなあ」だったので、ちょっと俯瞰してしまい没入はできなかったというのが本音である
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