フロントラインのレビュー・感想・評価
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一瞬の深呼吸と、顔に刻まれたマスク痕
冒頭から、すっと引き込まれる。どこまでも続く、船内の長廊下。波のせいか、小走りのクルーの視線なのか、ゆらゆらと揺れ、先が見通せない。搬送のため開かれた搭乗口で、クルーがほんのいっときマスクを外し、大きく呼吸する。暗い海、深い闇。これから始まる、長く苦しい道筋を、暗示させる幕開けだ。
国内初となったダイヤモンド・プリンセス号でのコロナ対応は、誰しもの記憶に残る強烈な出来事だ。けれども当時、私は情報の渦に巻き込まれるのが苦痛で、極力距離を置いていた。本作に触れ、知らないことだらけだったと改めて痛感した。乗客やクルーが多国籍で構成され、言葉の壁があったことも、少し想像すれば思い至ったはずなのに、当時は考えもしなかった。あれだけ騒ぎ立てられていたのにもかかわらず、そこにいた人々の顔の見えない、空虚な報道が日々繰り返されていたのだ。
言葉の壁、法の壁、そして受け入れ先の限界があっても、病気は待ってくれない。当時叫ばれていた、ウイルスを持ち込ませない、広げないという姿勢とは異なる視点から、DMATは格闘を開始する。ひとりでも多くの命を救うという、揺らがない軸。それは、当時ほぼ理解されず、広く伝わってくることもなかった。叩くだけ叩いていた外側と、激動の事態から目を逸らさずに向き合い続けていた彼らの隔たりに、今更ながら後ろめたい気持ちになった。
「これは面白い」、「いやいや、もっと面白いことになりますよ」とほくそえむマスコミ。本作では分かりやすい嫌悪の対象になりがちだが、彼らの情報に飛びつき、食い散らかすように消費していったのは、大衆という隠れみので顔を隠してきた私たちだ。本作は、涙腺狙いの美談然としたつくりをきっぱり排し、冷静な物語運びを貫いて、報道では顔が見えなかった(私たちが見ようとしていなかった)医療チームひとりひとりの顔をくっきりと見せてくれた。物語の中盤で大きな波紋となる、某専門家の警鐘動画とその顛末も、ぼやかさずに取り上げられている。マスクの着用や人物像など、エンドロール直前に示された演出上の説明書きにも、本作スタッフの誠実さを感じた。
ラスト、悶々とした日々を乗り越え、下船した親子にマイクを向けるレポーターのまなざしが、ほのかな希望を残す。また、ようやく(娘が家で教科書を広げており、2月末からの一斉休校に突入していると思われた。)帰宅した若い医師の頬には、くっきりとマスク痕が。苦しい日々の証であるが、家族との日常に戻った彼の、ささやかな笑いじわのようにも映った。彼らが思いを馳せたアフターコロナの世界に、今は追いついているだろうか。
個人的にそこまで合わず
ドキュメンタリータッチで終始重い展開。
事実ベースで鑑賞者の期待の仕方で満足度は変わりそう。
当方、もう少し映画的な展開を求めていたため退屈に感じてしまった。→違うタイミングで見ていたら感じ方が変わったかも。
感染拡大防止の難しさ
コロナウイルスが日本に最初にやってきた、豪華客船ダイヤモンドクルーズでの医師たちの活躍を描いた作品。
DMATは災害時に駆け付ける医師たちの組織のことだが、ウィルス感染のプロではない。
船内では感染者が多数発生していた。
面白がって取材するメディアが滑稽だった。
船内での医師の活躍が知れる良い作品だった。
あの人の扱いだけ気になるけど
脚本うまいなと思うのね。
松坂桃李が登場して、神奈川県の課長とやり取りすると、そこに小栗旬が割って入って、「なんだ厚労省の嫌な職員か?」と思うとメチャクチャしごできの人っていう。
この辺でストーリーに入っていけるの。
そこからもうまいのかも知れないけど、もう、話に引き込まれてるからね。
事実ベースで迫力あるし、後は、見ていくだけ。
現場に近いところでやってる人たちは、みんな人間の善性を出してやってるんだよね。離れたところにいる人たちが、しょうもないことやってしまうという。
「本当にヤバい」ってなったときは、みんな、まとまれるんだなと思った。
マスコミもしょーもないんだけど、桜井ユキが良心に目覚めて、少しだけ変わる感じで描かれてる。
そんななか「俺はぶん殴りてえけどな」と『岩田健太郎許すまじ』ってメッセージが残るんだよね。映画作るにあたって現場の方々に取材してるから、その人たちは岩田健太郎さんを許してないんだろうな。一人だけ悪者で終わるので、気になるというか、可哀想と思いました。
豪華客船に乗り込んだ方々が差別を受けちゃうんだけど、ひどいね。
でも、自分もあのとき、身近に該当する人がいたら、近づかなかったと思う。
未知のウイルスが、本当に恐かった。ごめんなさい。
パイオニアの気持ち
新型コロナの初期段階の話
得体の知れないウィルスの発生に誰もが恐れた5年前の実話。
映画は日本人らしい対応が描かれている。差別意識や村社会。
自分の身に降りかからないように、現場で戦ってる人間を遠ざけたり、政府は水際対策やルールを敷いたりして、感染した人間を悪者のように扱う。
そこに、マスコミが絡んできて面白おかしく記事を書いたり、またある医者は自分を邪険に扱われた腹いせに無責任にもYouTubeで好き勝手なことをいう。
結局、色々なノイズがあることで、善人の足の引っ張り合いが発生し、対応が遅れたことが結果的にたくさんの命を奪ってしまったと思う。
政府が権力を振り払ってでも、船から近い隔離できる病院を確保し、入居していた普通の患者を別の病院に移送して、専念できる医療チームを投入していたら。
政府も責任を取りたくないからなすりつけ合いになる。
歴史を振り返っても同じような初めての病などが発生した時は、差別されたり隔離されたりしてきたんだろうなー。
今回の映画では、小栗旬、窪塚洋介、松坂桃李、森七菜の演技が光っていた。
特に小栗旬の「迷った時は人道的に正しいことを選ぶ」の言葉には震えた。
自分の命だけではなく、周りの人たちも犠牲にしてでも患者の命を救った勇気には本当に脱帽だ。誰しも逃げたくなる。しかし、誰かがパイオニアにならなければ、この問題は解決はしなかっただろう。それなのに、邪魔する人間の本当に多いこと。人命が掛かる時こそ全員が協力して同じ方向を見ていたら、もっともっとたくさんの命が救えたし、解決も早かっただろう。
日本人は本当に責任を取らない民族だと思う。だからトランプにしても、ペリーにしても不利な関税や条約を突きつけられても交渉する政治家はヘラヘラして笑ってキツイものを受け入れてしまうんだろう。誰もがリーダーシップになって腹をくくる覚悟をもっていたら、日本はもっと外国人に信用して貰えてるんだろうが、、、。
しかし、コロナはマイナスなものではなく、このウィルスがあったからこそ、オンラインの技術や非接触の技術など一気に普及したのは確かだ。医療も科学技術の進歩も一気に進んだし。
この映画は、何度も泣けるいい映画でした。
個人的にはあんまり
全体的に評価高いけど、個人的には好きじゃなかった。
ドキュメンタリー映画だし仕方ない部分もあるが、起伏がない中での2時間は長い。
コロナが初めて出現した時くらいの時期を映画にしたわけだが、
マスコミやダイヤモンドプリンセス号船内での問題を動画にした医師を悪者にする意図が感じられて、そこが自分としては不快だった。
確かに当時、外野が好き勝手言ったことで現場に疲弊や混乱を招いた部分はあるかもしれないが、5年前のことをほじくり返して、また当事者を悪者扱いするような意図のシーンはいかがなものかと思う。
当時のマスコミやコメンテーター、コロナ治療に関わった医療者を危険視した人々等・・・
そんな人が本作を観たらどんな気持ちになるだろうか。
反省する人もいるかもしれない、心を痛める人もいるかもしれない。
でも、中には未知のウイルスとして真剣に報道に携わろうとしていた人、真剣に恐怖していた人もいるはず。
それなのに"心ない外野"とか"面白がってる人"みたいに描かれているのは不愉快。
作中でも、現場への批判に対して、現場からも会見を行うことを求める声もでていたにも関わらず、それも行わなかったDMATT側厚労省側にも落ち度はあったように思う。
現場を守る為、患者やその関係者を守る為にもやるべきだったと思う。
作品みた限り、当時の現場は
『僕ら一生懸命やってるんです!でもマスコミが僕らを悪者にするんです!外野が騒ぐんです!現場もそのせいで人がどんどん減ってます大変です』
そんな状態だったように感じたが、だったら被害者面しないでするべき説明をするべきだったと思う。
やれることは全部やるみたいなこと言ってたけどやってないじゃん。
決して、当時のマスコミやコメンテーター、コロナに過剰に怯えていた人たちは悪者ではないと思う。
わからないものの中で、それぞれが自分のフィールドで出来ることをやっていたと思うし、未知のものに過剰に恐怖し怯えるのは当たり前のことだと思う。
事実をもとにした映画だからこそ、現実にそういう反応をしていた人達がいるわけでそういうことも考えてもっと配慮ある作品にしてほしかった。
DMATTの皆さんありがとうございましたみたいな内容に終始すれば良かったのに・・・
後出しじゃんけん
当時は、人類vsウイルスという感じでどのようなウイルスか全く分からない状態で、感染経路や感染力そして病態等が良く分かっていませんでした。パンデミックなのに、当時のこのウイルスの恐怖に立ち向かう人類の勇気とかはほとんど描かれておりません。
現在の私たちは、人類が勝ったことを知っているます。この映画に描かれている、患者の人権vs感染防御があまりにも馬鹿らし過ぎて途中で嫌になりました。
もし、コロナウイルスによってご家族を失った方が観た場合、許せない気持ちになるのではないのではないでしょうか?
崇高な志
「こんな時のために、俺たちは、
医者に、なったんだろ」
仙道先生のセリフに痺れました
中途半端に、お涙頂戴の物語に
仕立てていないところも
良かったです
想定外のことがあった時に
それぞれの立場で、前向きに、
出来うる限りの最善を尽くす
人として生きる指標を
見せてもらったような気持ちです
キャスト皆さん、とても良かったけど
とくに、窪塚洋介が良かった
もっといろんな作品に出てほしいです
コンプライアンス研修の教科書だ
2週連続の日曜イオンシネマ
GG+docomoで1,000円ナリ
当初ノーマークの本作
例によってのキネ旬立ち読みレビュー
3人とも結構な高評価だった
2020年の1月末から2月頭にかけて入院してたオラ
ダイヤモンドプリンセスは
病床のテレビで観ていた よく覚えている
主人公に言わせたセリフに託されたメッセージに共感
・マスコミはトラブルが起きることを面白がってねえか
・コロナに関わるのが嫌な奴は医療に携わるのを辞めちまえ
それぞれの行動原理
岩田健太郎にも一分の理がある
テレビのレポーターにも
功名心も混じっているかもしれないが
それを否定するものではない
あと船内で軽い病気で薬を貰えずにイライラした人
そっち側で映画を作っても成り立つのかもしれない
おそらくオラは共感しないが
主人公らは未知のウイルスを眼の前にして
感染したかしていないかには持っていかれずに
命の危険があるのかそうでないかを判断基準にしていた
当時はPCR検査をしまくって とにかく陽性者を隔離しろ
との論調があった
法令遵守ではない真のコンプライアンスを体現していた
ルールの背後にある精神とか
そもそも期待されていることに柔軟にに応える
オレたちは命を守るために医者になったと
インスリン薬の例で示されたような優先順位付け
感染して搬送入院した外国人の家族の下船 入国
コンプライアンス研修の教科書だ
松坂桃李演ずる厚労官僚
法令遵守を盾に邪魔をする構図かと思いきや逆だった
現場の意見を吸い上げて次々に上に話を通す
こういう頼もしい官僚もいるのだなあと感心した
むしろマスコミが必要のない理屈をこねる
船内の乗客を計画的にさばいていく
一段落ついた後のドーナツとか缶コーヒーのシーン
何だかたまらなく気持ちよかった
窪塚洋介 久々だったが超クール 今年の助演男優賞
基本冷静なのだが唯一感情を爆発させるシーン リアル
フラフラしそうな主人公を引き戻す
これってそのあとの狂騒の序章に過ぎなかったんだよな…
同じような差別がそこかしこで発生した
県境で検問が行われたりしたし
地域で最初に感染した家族が他県に引っ越したなんて話も
いろんなフロントライン
・医療従事者
・食品製造
・小売
・運送・配達
・清掃
・ゴミ収集
想像以上にいろんな思いを巡らせられた
たぶん今年の5本に間違いなく入るだろう
終了が12時ちょっと前
またまた晴天の公園で缶ビール×2と
自作弁当
感染の心配はない ひとりだから
最前線(フロントライン)で戦うものたちよ
娘を初めて映画館へ連れて行ったのは3才の時で「トイ・ストーリー」だった。
もう30過ぎたが、今でも年に数回は一緒に映画館へ行く。「F1」に行くかと聞いたら「興味ない」と言うので「フロントライン」へ。来週私の誕生日が来るので娘のオゴリである。
6月28日(土)
新宿ピカデリーで「フロントライン」を。昼前の回でも結構入っていた。
最近は備忘録の意味でストーリーを割りと細かく書いているのだが、今回は書かない。2020年2月に実際に起こった、事実に基づく物語だからである。
あのニュースも観た。あの動画も観た。ワイドショーでも連日報道されていた。
船内で治療にあたっていたDMATがウイルス専門医ではなく災害派遣医療チームである事は報道されていただろうか(情けない事に記憶にない)。
乗客乗員56カ国3711名と医療従事者はダイアモンド・プリンセス号の船内で大変な思いをしていたのだと改めて気付かされた。
当時、船が一度離岸すると発表された時、何故?と思ったが、生活排水処理と給水のためと知り、港に停泊したままでは出来ない事だと納得した。確かに、そういう事は報道されていた。
大学教授の動画に便乗して船内の隔離状況を批判し、あおっていた政治家もいた。
最初に厚労省の役人・立松(松坂桃李)が登場した時、また現場を混乱させるような事をするのだと思っていたら、DMATの指揮官・結城(小栗旬)の意見を取り入れ、積極的に解決に向かって努力していた。彼のような役人も存在したのだろう。結城は立松に言う「偉くなれよ」。
船内で対応にあたるDMATの真田(池松壮亮)、仙道(窪塚洋介)も尽力していた。医療従事者には頭が下がる。陽性患者を受け入れた藤田医科大学病院の宮田(滝藤賢一)が搬送時に7人の重症化した患者が出る中、なんとか無事に受け入れを終え、缶コーヒーで真田と乾杯するのである。
また、乗員(クルー)も大変だっただろう。乗客が全員下船するまで、彼らも下船出来なかった。感染のリスクがある中で誰かが面倒を観なくては乗客は船内に留まる事も出来ないからだ。そして映画でも彼らの努力は描かれていた(少しだったけど)。ドアに貼られたクルーへの感謝の言葉の数々。
多くの人たちの努力と献身で非常事態を乗り越えたのだ。
エンドクレジットで、映画的に複数の人達を一人に集約して描かれている旨の説明がある。最後に下船したのは船長だった事を告げて映画は終わる。
あれから5年でよく映画化出来たものである。ある意味、骨太な映画だった。
与えられた役割
小6の冬、突如として新型コロナウイルスが影を落とした。
卒業式までずっと休校。「普段通りなら」2時間程ある卒業式は、卒業証書を次から次へ渡す流れ作業の30分。写真撮影は無し。歌も無し。
中学2年生でもその猛威は続き、「普段通りなら」秋に行く予定だった修学旅行は、直前1週間前に中止となった。隣の中学校は時期を前倒したことで、第3波だか第4波だかが来る前に修学旅行に行けた。
中学3年生の卒業式、生徒代表のあいさつで語られるのは、「普段通りなら」学校行事や修学旅行の思い出。
壇上にあがった生徒代表のことばの大部分は、中止になった修学旅行が占めていた。
スーツケースに服やカメラを入れたこと。お金を靴下にかくしたこと。巡行ルートを話し合ったこと。部屋決め、班決め…
みんな泣いていた。
ニュースの画面に、「一斉休校」「緊急事態宣言」の文字が映し出されたとき、父が「お父さんが子供の頃にはこんなものなかった」と言ったのが忘れられない。
コロナ禍は前例のない、「普段通り」が通用しない、まさしくフロントライン(最前線)だったのだ。
フロントライン
今作、一ヶ月前から楽しみにしてました。
ダイアモンドプリンセス号でなにが起きていたのか?当時のぼくはよくわかってなかったので、「なにがどうなっていたのか」知るために観に行きました。
社会をもし演劇とするなら(僕が演劇部なので例えに使っちゃいます笑)、それぞれ与えられた役があるでしょう。では、もしそんな劇に、こんな役があったら?
「未知のウイルスの最前線に飛び込み、恐怖におののきながら、世間からバッシングを受けながら、家族が差別にあいながらも、患者のために全力を尽くす」
誰もやりたがらないと思います。そんな役、死んでもごめんです。
今作はそんな役割を与えられた者たちを描く作品。
次々と起こるトラブル、メディアの偏向報道…
まさにとんでもないフロントライン。
なにがおきるのか?このウイルスはなんなのか?
それも分からず、現場で咳を浴び続けた名もなき人たちに頭があがりません。
作中のセリフに「次また同じようなウイルスがでたとき、また同じ対応をしますか?」というものがありました。
ポストコロナが今後現れたとき、そのときどうするのか?僕は、後輩たちに僕のように中学校の青春を失ってほしくありません。
大学は経済学部に進学して、社会の仕組みを学ぼうと考えています。
コロナ禍以降ディーマットにウイルス災害対応の一文が追加されたように、
過去の失敗に学び、社会はまた組み替えられていく。そしてその積み重ねが防災、減災につながっていく。
本当に感動しました。
追記
自殺しようとした女性を、さいごに止めたのは人とのつながりでした。どこまでも与えられた役割を演じ、責任転嫁が巻き起こる社会でも、根本で大切なのは人と人の関係なんだと強く思いました。
英語、もっと話せるようになりたいですね!
英語の勉強が楽しくなりそうです笑
いい感じ!
正直、見終わったあとスッキリするような内容ではなかったけれど、僕はこの映画を見て良かったと思った。あの船の中で、そしてその場所と繋がった場所で何が起こっていたのかよく知らなかった。今後の医療について考えるきっかけになったと思う。
※あくまで個人の意見だが、キャストに関しては文句無しだと思う。松坂桃李が思ったより人道に従って行動していて意外だった。
今日はお味噌汁ありますよ
コロナウィルスの日本でのプロローグに興味があり視聴 裏話的なエピソードに期待したが、そうでもない
自分としては、ダイヤモンドプリンセスの乗客に対する食事の配膳にアジア系の女性従業員が 「今日はみそ汁ありますよ」と隔離された日本人乗客に笑顔で対応していたのですがその後従業員も罹患 リアルに感じました 得体の知れないウィルス、誰も正解のわからない対策
もう少し深掘りして欲しかった
役者さんはとても良いのに
もうちょっと
この手の記録ドキュメントタッチの映画は日本は素晴らしいのだが、今回はもうちょい感あり
自分の中では、題名は忘れたが、人工衛星作成プロジェクトが一番です。
NetflixのDAYズの方が生々しい
次元が違って比べるとマズいが、架空のMERやゴードブルーの方の医療現場描写の方が生々しい
あんなに本当に現場で笑ってたの?
それと、この手の映画は誰の視点かがすごく大事で、今回だれがの視点なのかわからず、小栗旬が主役だけどそれほどでもないし、マスコミ完全悪だし、感染者の医者悪者だし、お役人さん神だし、困ったら役人へ!
医療従事者の苦悩もさらりとだし、
わかりづらくてもマスク完全防備で芝居しょうよ、マイクでひろえないなら、字幕やナレーションでもいいじゃん
いつも他人事
いつも災いは他人事と捉えがちな私たちに
反省を込めて観なさいと言われているようなノンフィクション作品。
この人たちのおかげで早い収束を迎えたのだろう。
コロナのスタート地点、ダイアモンドプリンセス号、死ぬまでに世界一周クルーズはしてみたいけど。
当時の不安感を前提として作られたことの是非は?
本作で取り上げた、ダイヤモンドプリンセス号でのコロナ発症とその後コロナ禍の出来事は、極めて政治的出来事であった。政治的とは当事者が多数いるという意味だ。患者、医者、看護師、政府(官僚)、政治家、日本国民そして世界国々と当事者は多い。本作では、船の患者、その家族、医師らを当事者として焦点を当てている。
外国人の演者が割とまともだった。邦画での外国人役は演技がアマチュア劇団レベルというのが多いのだが、今回のは割と堂に入った演技をしている。夫が発症し1人船に残された女性を演じた方は、夫を旅に誘った後悔をよく演じていた。
マスコミを「マスゴミ」として描いているが、やや類型的である。マスコミの人間も様々であり、「マスゴミ」として描くにしても背景などもっと深みが必要ではないか。人はそう単純な生き物ではないのだから。
この映画は、あの時の多くの人々が持っていた不安感をベース(前提)にしている。なにかとてつもない事が起こりつつある。得体の知れぬモノが迫っているという、ホラー映画が持つ出来事への不安感である。
そう、本作はホラー映画として作られるべき作品のはずだったと思う。
しかし人々の不安感をあまり上手く演出できたようには思えない。あの時、船の中ではこんな事が起きてましたという報告感が強い。それが制作目的だとはいえ、何か物足りない。
政府内でも相当の暗闘があったはずだが、抜けている気がする。
ほんの五年前の出来事なので、あの不安感を多くの人々は肌感覚で覚えているから描く必要はないという判断もあるかしれない。が、五十年後の人々がこの映画を観た時、どう感じるだろうか。
状況はわかるとしても、身に迫る気持ちは起きないだろう。名作と言われる作品は時代を越えるというが、それは作り手の用意周到な計算があるからだが、本作にその計算はあったのだろうか?
船が給排水のために外洋に出る場面は印象的だった。鮮やかなライトをつけながら、漆黒の闇の海を行く様は、その後の世界を暗示しているかのようだった。
窪塚さんと池松さんに味つけされた真面目でドキュメンタリーな作品
評判が良いので映画館で鑑賞。当時報じられていたダイヤモンド・プリンセス号のニュースを改めて思い起こした。
現場で抱えていた想像もしなかった実体を、本作を通して初めて知ることとなった。
当時は、感染力の高い恐ろしい未知のウイルスが国内でまん延するかも知れない水際で、治療法もワクチンも存在せず、医療現場の体制も整っていなかった。
このような緊急事態において、有志の医療関係者に「依存」するしかない極限状態だった。
本作では、結城医師をはじめ医療従事者は心を正常に保つために「人命を最優先」「人道的な正しさ」をその行動原理としていた。
自己や家族を犠牲にしながらも、世間から謂われのない批判に晒されなければならない悔しさや憤りは計り知れない。
それでも、自分たちが最前線に立たなければ、事態は立ち行かなくなるという恐怖と責任感が、彼らを突き動かしていたのだ。
このような状況の中で戦う医療従事者を「善」として、彼らの視点から当事者の覚悟や苦悩が画かれているが、そこがまさに見どころになっている。
矢面に立ち、甚大なリスクを背負いながら即断即行動を下すことの重みを目の当たりにし、医療従事者の方々への心からの感謝と敬意を抱かずにはいられない。
一方で、陽性の可能性がある者と自分の子供が接触するのを避けたいと考えるのは、至極当然な人間の感情である。
自分と自分の身近な者を守るという行為は、人間にとって最優先されるべき本能的なものであり、それが脅かされることは恐怖であり「悪」と認識される。
そうした世間の恐怖をマスコミが煽り、医療現場との対立構造を作り出すことで、医療従事者の善性を際立たせている側面も感じられた。
本作は、スター性のある小栗旬を起用しているにもかかわらず、エンタメ要素を極力排し、様々な立場の感情に配慮していると感じる。
ドキュメンタリーまではいかないものの、感情の起伏を抑制している点も、この作品の良さになっている。
窪塚扮する医師の強い覚悟と、池松扮するの医者の芯の強さが本作を際立たせていて、作品に味がついている。窪塚洋介がかなりカッコ良かった!
感動して涙が止まらない作りにはしていない。
エンタメ的ヒューマンドラマを期待されている方には向かないかも。
医療従事者
どこまでが真実なのかは分からないし、綺麗事の理念だけで成し遂げたとも思えない。
が、実際あの船で感染は起こり、未知のウィルスは猛威をふるい、そのウィルスに立ち向かった人達がいるのは事実だ。
結びとしては、船の問題が片付いたになってはいるが、未曾有のパニックとしてはほんの入り口なので、ハッピーエンドになるわけもない。
僕らはその後の時代を生きている。
振り返るには早いタイミングだとは思う。
が、当時、何が正解かも有効かも、どんな脅威なのかも分からない中で、その渦中に飛び込んだ人達がいる。医療従事者の方々にはホントに頭が下がる。
自分の命どころか、家族の人生をも賭けてる。
目の前の命に向き合い、最善を尽くした人達。
そんな人達の物語だった。
皆様、熱演だった。
ただ、ホントにコレは想像なのだけれど、あんなに整然としてたのだろうかと思う。
阿鼻叫喚とまではいかないが、もっと壮絶だったんじゃなかろうかと思う。勝手にオブラートを想像してモヤモヤしてる。
人の善意はいっぱい映っていたけれど、人の悪意は限定的だったように思う。
下衆なマスコミと無責任な政治家とか。
光石さんとかハマってたなぁ。
よく出来た脚本だなぁと思えた。
立松さんは偉くなってくれたのかなぁー
…ああいう人がああいう人のまま偉くなれないから、この国の将来が不安でしかないんだがな。
気持ちは分からなくはないんだが、風評被害ってシャレになんないなぁ。
そういう誤解を解いてあげるのもマスコミだと思うのだけれど、元より信頼が失墜してるからそんな役割も今更担えんだろうなぁ。
そうなんだよな…。
なんか食い足りなかったのは混乱がそこまで描かれてなかったような気がしてて、何に立ち向かってじゃなくて、どう立ち向かったかにフォーカスされてたから「感謝」みたいな感想になったんだろうなぁ。
13名が亡くなったという事実
あの当時は新型コロナウイルスの感染者が少しずつ増え始めていたものの、後にあそこまで猛威を振るうウイルスとは知らなかった頃です。ダイヤモンドプリンセス号のニュースはよく見ていましたが、中の様子は分からなかったから、感染者を中に閉じ込めたままなのはどうなんだろうかと思っていました。本作では描かれてなかったようですが、アメリカの助言だったんですね。
確かに、患者の受け入れを拒否する医療機関が多かったから、そうするしか無かったんだなと思います。
日本ではそれまでウイルスの爆発的な感染なんて無かったから、感染症対策のシステムが構築されてなかったのも仕方ないことですが、そういう事態を予測することも無く、医療に関する国の予算もどんどん削られていましたから。
そんな中でも戦ってくれた医療従事者、関係者の皆さんには、頭が下がります。それなのにD-MATの方々が差別され、酷い言葉を浴びせられたり、その家族までが職を失ったり、同じ医療関係者からも中傷されるような目に遭っているというのは、報道番組でも新聞でも度々取り上げられていましたよ。
戦争中やもっと前からあった迷信的な偏見や村八分的な思考と何ら変わらないです。
本作は当時の緊迫した状況を伝えてくれますが、まだ描き切れていない事が多いと感じました。
クルーが頑張ってくれたこととは別に、アメリカの運航会社の対応は色々まずかったと思います。隔離が始まって食事を各部屋に運んでくれるようになっても、パンを素手で配膳しているのを不安に思ったという日本人客の証言あり(テレビより)
検疫の様子も見たかったです。
アリッサ他2名のクルーはその後どうなったんでしょうか。
感染症専門の教授が乗船し、ゾーニングが正しく出来ていない事や、役人の認識の甘さを批判していたのはテレビでも中継しました。その指摘はもっともで、なぜ教授が船を降ろされることになったのかは知りたいですね。(お役人が降ろしたんだろうと思ってます)
「面白いことになりそうですよ」と言った架空のテレビ局の記者のセリフは事実ではないですよね。でも主人公は面白がられていると感じたかもしれません。船内はまるで野戦病院のような状態だったのに、まわりはただ見ていただけでしたから。
最終的に、3711名中、感染者712名、死亡者13名、医療機関への搬送者769名、搬送先16都府県、150病院でした。ウイルス以外の原因で亡くなる事案をも含めて被害を最小に食い止めようとしてくれました。
最初に2名が亡くなった時、「でも、船の上ではない」というセリフは、D-MATを擁護する為に敢えて言わせたんでしょうか。震災の時に関連死を気に病んでいた方々が、まるで責任を押し付け合うかのようなお役所的発言をしたとは信じたくないです。
本作では、窪塚洋介さんがカッコ良かったです。池松壮亮さんも良かったです。森七菜さんが船内を走り回って奮闘する姿、ふくらはぎが生命力に溢れていて魅力的でした。
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