フロントラインのレビュー・感想・評価
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今、同じ(同様の)ことが起こったら
まだ記憶には残っている2020年1月末に発生した、「ダイヤモンドプリンセス」での新型コロナ感染者発生に焦点を当てた映画です。
5年前のできごとの記憶を記録に残しておくべきと思っていたときに、小栗旬、窪塚洋介、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一などの豪華キャストで制作されています。
一般に、社会で起こるできごとは視点を変えると違って見えるので、この映画が正しい事実の記録であるとは捉えない方がよい気がします。この映画の視点は、DMAT、厚労省、横浜県庁、藤田医科大側です。とはいえ、どこかや誰かを徹底的に悪者にするということもなく、全体的にいろいろ気を使った映画になっている気がしました。
松坂桃李は、『新聞記者』や『御上先生』でもそうでしたが、しらっとして言いたいことをいう官僚が似合います。また、窪塚洋介はさすがにいい味を出していました。森七菜はここ数日のうちに観た『国宝』にも『パレード』にも出ていたので、またかという感じでしたが、やはり引っ張りだこになる理由はありますね。
人間のすばらしさが描かれているシーンがいくつもあり、涙してしまいました。
帰りがけに、この映画のテーマ、つまり、何が言いたい映画なんだろうと考えましたが、関根光才監督が言うように、TV記者(桜井ユキ)がDMAT指揮官阿南(小栗旬)に問いかけた、「今、同じ(同様の)ことが起こったら」かなと納得した次第です。
(敬称略)
作品に下駄を履かせることの罪深さ
まず奇妙だなと思ったのが他のレビューを見るとコロナ禍の自分の境遇をあーだこーだ語ってたり全ての医療従事者の方々に感謝ですぅ〜と急に医療者を拝み倒したり「これレビューじゃなくて貴方の日記では?」って感じの内容がやたら多くきちんと作品の評価をしてる人が極端に少ない。その時点で嫌な予感はしていたが……
エモーショナルな演出を避け淡々と描こうとしてるのは伝わるしその狙い自体はいい。しかしそれをエンタメとして成立させるのは至難の業でこの映画も残念ながらつまらなさの一因になってしまっている。
またそうした演出と役者のチョイスが合ってない。何故エモ演技一本槍で頑張ってる小栗旬を主役に据えたのか。(その点では池松壮亮はいい仕事をしてたと思う)
でもこの演出の方向性なら脚本もあの船上での出来事を淡々と冷徹に、清濁併せ呑みでリアルに描いてくれるのでは?と期待したが見事に裏切られた。DMATを正義、マスコミを悪に見立てた薄っぺらい勧善懲悪ストーリーがダラダラと続く。
演出はリアルで抑えめに、でもストーリーはコミックじみたご都合主義。この映画は何処を目指してるんだろう?と困惑する。
この内容なら登場人物がキスするレベルで顔を近づけながら「俺達は絶対この国にウイルスを入れるわけにはいかないんだ!!」とか怒鳴る歌舞伎演技をやってたほうがまだ様になったと思う。
でもそれだとソーシャルディスタンスが取れないか笑
演出と脚本が違う方向を向いている、どちらにも振り切らない気持ち悪さ。それゆえ単純に映画として「面白くない」
他のSNSで見たレビューでこのような言葉があった。
『フロントラインはあのコロナ禍の事を映画にした事自体に価値がある。面白さは二の次でいい。全ての医療従事者に感謝します』
これがこの映画を端的に表しているように感じる。
コロナ禍の始まりを描いた。という下駄の上に存在してしまったがゆえに″やたらと医療者を持ち上げたがる人達″に神輿にされ、いち映画作品としての評価もまともにしてもらえない。
金出して見るもんじゃなかったな…という憤りとともにある意味なんと可哀想な映画だろう。と憐れみを感じてしまった。
キレイに描かれているけど現場はもっと大変だっただろうな
何回か涙ぐみました。
映画だからキレイに終わっているけど、実際は混乱の中大変だっただろう。
最初は危機意識もあるようでなかったとも思う。
何処でも現場は頑張っている。
現場を知らない素人は黙ってろって感じます。
しかも引っ掻き回す人達って「自分の感情」を「皆」に主語を置き換えるので厄介。
マスコミって真実を伝えてはいるけど、エンタメなんだろうなって言うのはつくづく感じてはいる。
必ず「悪」を作っていて、それは真面目に頑張っている人達に向くことが多い印象。
真面目な人達は理不尽な返しをしないから標的にしやすいんだろう。
安全な場所から不安を煽るし、努力を下げる。
そして映画はトロッコ問題みたいだなとも思った。
罹患した乗船員や客を守るのか、まだ罹患していない人達を守るのか。
正義の言葉、人道的な気持ちはわかるけど、それって自分に余裕がない、未知の怖さが先に立つと正しい事を言っていても響かない。
自分が可愛い、自分を守りたいから。
だけど、現場の人達は「助けたい」その気持ちを自分に言い聞かせながら恐怖や理不尽に立ち向かい耐えていたんだろう。
自分達にしかできない仕事だから。
YouTubeに登場した医師。
あー、いたなと思い出しました。
私は気が付かなかったけど、エンドロールに名前が載っていたらしい。
許可を得たんだろうなとの事。
詳細は不明だけど、大切なシーンである事は確か。
役人は悪く書かれることも多い中、誠実に対応してくれている人は絶対にいたはずで、そういう人達は絶対にマスコミは取り上げない。
美談は話題にならないから。
怒りの方が扇動しやすいんだろう。
新しい病院を開設したから受入体制を取ってくれた。愛知の病院の責任者が缶珈琲を飲みながらかけた言葉。
これからも受け入れる覚悟が決まったんだろうなと感じて涙しました。
コロナはなくならないし、これからも変異し続けて行くだろう。
同じ事があった時に、足を引っ張る人達が現れませんようにと願う。
実際に何千、何万人も亡くなっているのだから。
その辺りはリアルを描いていないのか、描かないと決めたのか。
自分が罹患しなかった、軽症だったからと次に罹患した時にどうなるかは分からないのだから
病気は死ぬまで後遺症に悩まされ続ける人達もいるという事は忘れないでいたい。
現場で頑張ってくれた方達に感謝を
お疲れ様でした。
「偉くなれよ」を聞いて「踊る大捜査線」を思い出しました。
きちんと物事を冷静に判断できる人が増えますように。
そのためにも敵を取り込み、味方を増やして実行して下さい。
字幕の部分はとても大切な事が書かれていますね。
歴史に残る作品
日本でのコロナのはじまりとされるダイヤモンドプリンセス号で何が起こっていたかを映画化した作品です。
非常に素晴らしい作品でした。
キャスト陣の演技力も高いですし、やはり窪塚洋介さんは存在感ありますねぇ
多少の脚色はあれどこれが真実であると認識してます
メディア、SNSに安易に踊らされる現代人
考えさせられる内容でした。
改めて医療従事者の方々へ敬意を表します
またよく他作では足を引っ張ったり、無能にされがちな厚生労働省が大活躍でした
松坂桃李さんも素晴らしい演技でした
やはり上の官僚はろくでもない描写がされてはいましたが
不覚にもあのアメリカ人の子供兄弟のシーンはウルッときましたし
その後の「私は決断から逃げた」というセリフも刺さりました
あの兄弟の話は実話なんですかね?
エンドロールで
・マスク着用してない場面も実際はちゃんとしてました
・多少の脚色や、時系列の前後あります
という表示がちゃんと出ます
これがまた現代っぽいな
と
「電子レンジに猫を入れてはいけません」の都市伝説を思い出しました
まぁ事実ベースの映画という前提なので必要な表示なのでしょうね
とにかく引き込まれる作品で
胸が熱くなりました
一人でも多くの方が鑑賞して
ないことが一番ですが、またこのような事が起きた際に医療従事者たちが苦しまない環境になればいいなと
映画内でこれだけ頑張ったのに
結局日本どころか世界中に広まったコロナって一体なんなんでしょうね?
鑑賞後はそっちの方が気になってしまいました。
人とは
後世に遺すべき映画
新型コロナウィルス発生時、とくに豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の件は今でも鮮明に覚えています。
あの日、あの時、何が起こっていたのか。
その答えを知りたくて、映画が公開されてすぐ観に行きました。
結論から言うと本当に観て良かったです。
よくぞ、あの出来事を映画にしてくれたと思います。
プロデューサーと監督の方のパワーが無ければ不可能だったことでしょう。
決して綺麗事だけで終わらない事態に、自身の命を危険に晒してまで他人の命のために最善を尽くしてくれた方々がいたことに感動しました。
森七菜さんが演じる羽鳥さんの通訳シーンもすごかった。
テーマがテーマだけに暗くなったり後味が悪くならないか心配でしたが、俳優さんの演技力で格好良さがプラスされてたので、そこも良かったです。
あと、やっぱり「国際問題に発展する」というカードは強いですねw
(観れば分かる)
日本の他国への誠実さも伝わってきました。
時間があれば、もう一度観にいきたいくらいにはお気に入りの作品です。
最前線
ダイヤモンド・プリンセス号から始まった新型コロナウィルス、当時はそういう認識が強く、なんとか船内で収まってくれたらいいなと他人事のように思っていましたが、感染力はとんでもなく強くあっという間に日本中へ。
パンデミックなんてフィクションのようなものとしか思ってもいなかったので、何もかも分からない状態だったなというのを今作を観ている時にふと思い出したりしました。
コロナを食い止めるためにDMATという医療従事者で集まった団体が協力してダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、厚生省の役人と共に未曾有の危機を防いでいくといった史実に基づいたストーリーになっています。
チームのリーダーとして指揮を取るもの、現場での指揮を取るもの、患者の応急処置を行うもの、病院への交渉を行うもの、などなどそれぞれの役割を全うしても間に合わない足りないの連鎖が新型コロナウィルスの恐ろしいところで、そこにデマを流す医療従事者がやってきたり、マスコミが煽るような報道をしたり、SNSなどでの誹謗中傷が巻き起こったりと休む暇も無い恐ろしい事態の連発に気を病みましたが、現地にいた人たちはそんなの比にならないくらい気を病んだと思いますし、そんな中でも挫けずめげずに動き続けたというところを映画を通して知れただけでも間違いなく価値がありました。
船内は外国人が多いのもあってコミュニケーションが円滑に取れないというもどかしさもあり、その中で船内のクルーと共に協力して物事を進めていくというのも大変な状況下なのに手を取り合っていて関心しっぱなしでした。
感染者を助けるのと同時に感染者の家族のフォローもあったりと、現実ではもっと過酷だったんだろうという状況がビシバシ伝わってきて中々に辛かったです。
船を抜けた後も病院まで搬送するまでが大変ですし、近くの病院だけでは足りず、様々な病院に交渉しながら患者を無事に送り届けるというのは本当に大変だったんだなと思いました。
3.11の経験則がこの未曾有の事態でも活きてくるというのは日本の歴史ここにありだなと思いました。
作品内ではやはりマスクをしてないシーンが少しでもあると違和感が生まれましたが、製作チームが紳士的なのかエンドロール前にしっかりとその旨を書いており、その誠実さにこれまた胸打たれました。
新型コロナウィルスが大まかに収束して2年と少し、最初の発生からはや5年。
あの時は何年この状況が続くのだろうと不透明な未来に憂いていましたが、こうやってマスクなしで映画を見に行けたり、ライブに行けたりする日々はありがたい限りです。
エンタメとしても面白く、あの時知らなかった事を知れて勉強になったりとでまた一つ日本で起こった出来事について詳しくなれたなと思いました。
こうやって最初の発生を食い止めようとした人々たちのエピソードを綴ってくれて感謝しかないです。
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 17:50〜20:15
影のヒーロー・ヒロイン達
このダイヤモンドプリンセス号のニュースは知っていたが内情は全く知りませんでした。この船の中と外でこんなに戦っていた者達が居た事も知りませんでした。当時を振り返りマスコミはほんとマスゴミだったように思う。特にワイドショーなどで外から学者を交えて色々と無責任な発言を言っていた事を思い出す。そして私自身も如何に自分がお気楽に生きているのだろう…と思ってしまった。。(お恥ずかしい限りです)
DMATのメンバーは自身の危険をかえりみず、見ず知らずの者達を救う為に挑むのです‼︎ 何というか事か…それがボランティアだと言う…
当時未知のウィルスを前に感染者の飛沫を浴びながらの過酷な現場だ。その怖さは想像を絶する筈だ。
しかしその素晴らしい人達を(家族を)世間では"ばい菌"扱いする…なんと人とは愚かしいのだろう⁈
以前働いて居た職場でコロナ患者を初めて受け入れた病院を知った同僚がこっそりと私に教えたので、そんな同僚を窘める(たしなめる)事があったのを思い出す…
ヒーロー・ヒロイン達は医療従事者だけでは無く、その家族や船のクルー達、厚労省関係者、神奈川県庁職員そして船に乗船していた乗客達もだ!関わった全ての人達だ‼︎
この映画を観て我々の肝に命じる事は、決っして差別や偏見で人を見てはいけないと言う事だ‼︎
そしてその後の世界同時パンデミック下でも人知らず沢山の働く人達が全世界に居た。そんな全ての人達へのエールだ‼︎この作品を作成した意義や意味を強く強く感じる。我々の知らない処にヒーロー・ヒロインは居るのだ‼︎
《未知のウィルスに己の命を懸けて挑んだ医療従事者達に畏敬の念を込めて星5つを捧げます》
【追記】2025.6.20
……だってその当時は全くの未知のウィルスだよ…仮に致死率50%(そんなウィルスは無いけど)だとしたら発症したら半分は死に至るとかになるんだよ。そんな恐怖の真っ只中に飛び込んで行く事があなたなら出来ますか⁇ 彼らはそれをやっていたんだ‼︎
思い出した~m(_ _)m
全日本国民が共有すべき映画
いまを生きるほとんどの人々が『当事者』
気持ちを引き締めたい
実は当時、正確な情報がどれだけ発信されるか疑問もあったのでダイヤモンド・プリンセス号のことをじっくり見聞きしていたとは言い難い。ただあの豪華客船の中は相当な修羅場になっているのではと考えていた。
この映画に描かれるのはそのほんの一部。それでも緊張に緊張が重なり身体を固くして観ていたようだ。欲を言えば色々な出来事が次々に個々に出されているような感じがあり、もう少し関連性を、流れを分かりやすく観せて欲しかった。
星4つのところを、当時の医療従事者の方々を始め、尽力していただいた方々への感謝としてプラス星0.5。
あの頃に比べて自分の緊張感も下がってしまっている。もう一度気を引き締めて感染症予防をすることにしたい。
前代未聞の危機に立ち向かう日本人たち
当時まだ人々がコロナのことについて右も左も分かっていなかった時期に初上陸したコロナに最前線で立ち向かった人々の話。
・良くも悪くも非常に日本らしい強さと弱さをかっこよく見せてくれたのが素晴らしかった。
危機に立ち向かう作品は古今東西多く存在するが、米国の作品が正義のためにヒーローが立ち向かうのに対し、本作は日本らしく普通の人たちが情と現場力で対応するところが面白かった。
それとともに責任取るのが嫌な上の人たちがすべて現場に責任を押し付けるところや、最前線の人たちで命を張ってる人たちに後ろから石を投げるような、現場を使い潰すような描写も面白かった。
また役者たちの演技も素晴らしかった。
全体の総括指揮を取る小栗旬、前線で現場の指揮を取る窪塚洋介、現場で直接患者たちの診断や治療を行う池松壮亮、厚労省の役人として国との調整やバックアップを行う松坂桃李。
それぞれいい味出していて素晴らしかった。
とにかく良い映画ではあるのだが、同年同時期に国宝と被ってしまったのはやや不幸であるとは思う。国宝・フロントラインどちらも素晴らしい映画なので両方見ましょう。
あとエンディングテロップの参考資料に岩田健太郎のyoutube動画があったのは笑った。スタッフなかなか攻めてるな。その覚悟やよしw
窪塚洋介が趙天佑だった
前情報を見ずに行ったので、パニック映画だと思っていたら全く違いました。どちらかというとドキュメンタリーです。
忘れかけてた記憶が戻され、点と点が繋がるような感覚でした。六合先生こんな人いたなーとか。
桜井ユキさん演じる記者が、小栗旬さん演じる結城先生に言われる「面白がってないですか?(ニュアンス)」は、恥ずかしながら正直刺さってしまいました。
桜井さんの言われた時の表情、良かったです。
全体的に派手な演出はないものの、役者さんの演技力でとても惹き込まれました。本当にみんな良かったです。
めちゃくちゃ個人的ですが、窪塚洋介さんが演じている役が龍が如くの趙天佑ぽくて、それに気づいてからはそうにしか見えませんでした。(良かったです。)
改めて、当時関わっていたすべての関係者の皆様ありがとうございました。
すぐそばにあった闘いの記録
DMATの信念とマスコミの淡い良心
改めてあの当時の最前線の緊迫感が感じられる映画になっていて、見てよかったと思っています。阪神大震災からDMATが出来た当時のニュースで「この人達の使命感ってすごいんだろうな」と思っていましたが、あの状況での理不尽なまでの投入状況はもっと早く知るべきだったなと思いました。そして5年の間に何が変わったのか?何が進歩したのか?問われている気がします。
最後のエンドロールでの、演出の為マスク無しでの撮影しましたは、もっと大きく表示するか、最初に流したほうが良いと思います。じゃないと一部映像で判断してしまう人が出ないとも限りません。個人的には演出も関係なく実際のマスク姿でも良かったかな?と思います。
あと私見ですが、ブルーゾーン、イエローゾーン、レッドゾーンは、出来るだけ早く岸壁にプレハブでも作り、分けたほうが良かったかな?と思っています。中国では病院まで作れるのに、あれでわかったのは、ワクチンも作れない、防護服も作れない、マスクも自国で作れなくなっていたということでした。
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