「沁み入る「現場の緊張感」と」フロントライン Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
沁み入る「現場の緊張感」と
誰かの言葉によって影響されたりしない、自分の心中の責任感が、この映画の静かな魅力だったと思います。
◉苦闘の果ての沈黙
2020年のダイヤモンドプリンセス号の新型コロナ感染拡大が舞台。未知のウイルスに苦しむ医療チームと、国として対応する厚労省の役人(松坂桃李)が主人公。
パニックものではあったけれど、患者対医療、行政対医療、医療対医療の強烈な衝突が繰り返されるのではなく、正体を掴めないままに死者・重症者を出してしまい、ひたすら苦闘、苦闘以上に疲弊する医療チーム+厚労省の姿が描かれた。
◉等身大の問いかけ
でもそれぞれが、余計なことに耳を貸さず目の前だけに専心して、出来る範囲の中で力を合わせて最善を尽くす姿は、これがつまり実話に基づいている「迫真」なのだと思わされました。
なんと言っても、メイン4人の腹底の情熱を抑えた演技力が自然で、そこは読後感が良かったです。この4人はみんな名優ですね。即ち、今更ながらの手練の演者たちの静かなる演技に感激しました。
表には見えづらかった現場の苦悩や限界に胸を打たれました。そして、筋書きへの没入感と言うより、この危機を普段の職場とか暮らしに置き換えたら、自分はこんな風に問題を処理出来るかと言う問いかけが、強く生まれました。
Uさん さま、コメントありがとうございます。
自分の中心の責任感…なるほど、この映画のヒーローたちこそ、誰かに言われたからではない自分の中の正義を使命を貫いた人たちでした。
小栗旬と松坂桃李の巧みな感情表現に対して、池松壮亮と窪塚洋介は起伏を見せず平坦に演じる役者です。でも、どちらも観る者に共感をもたらすのですから、タイプは違えど素晴らしい俳優だと思います。
コメントそして共感ありがとうございます。
ドキュメンタリー映画ではないのに、なぜか「その時の“真実“」に、
迫ったような緊迫感がありましたね。
》実はに基づいている「迫真」
まさにUさんの書かれてる「迫真」
この映画製作陣の、奇をてらっていない・・
嫌味ない真っ直ぐさ・・・が浮かび上がる・・
》表には見えづらかった苦悩や限界・・
・・・正義感・・・を描けてて嫌味でない・・・
なんか、その時、できる限りのことは、やりきった・・・
そんな気持ちいい映画でしたね。
Uさんさん、共感、コメントありがとうございます。
今回の映画は、「シン・ゴジラ」同様に現場の人々の緊迫したやりとりがエンターテインメントになっているところが良かったですね。
おっしゃるように「抑えた演技力が自然で」なければ感動しなかったと思います。


